![]() ![]() 根岸だね。 ![]() 根岸だね。…ってどこなの、ここ? ![]() 山手線の鶯谷駅周辺ね。 ![]() 看板にもウグイスが描いてあるね。 ![]() 「雀より鶯多き根岸かな」。江戸時代は別荘地、明治の頃も閑静な住宅地だったみたいだね。 ![]() ところで、なんで根岸なんだい。わざわざ見に来るようなものあったっけか… ![]() 何言ってるんだい、わたしたちにとっちゃあ聖地巡礼じゃないか。 ![]() 聖地巡礼? ![]() ああ、わかった。確かこの辺り、有名な噺家が何人も住んでたんじゃなかった? ![]() 根岸と言えば、今でも落語会を開いてるところがあるくらいだけど、落語とは縁の深い土地なんだ。「昭和の爆笑王」と呼ばれるような噺家が三人も住んでたんだ。今日はその聖地を廻ろうというわけさ。 巡礼の振り出しはここだ。 ![]() ![]() お…いく…の、まつ? ![]() 「おぎょうのまつ」。江戸名所図絵にも載ってる黒松で、大正時代には名木として天然記念物の指定を受けたということだ。 ![]() 松はどこなの? ![]() ![]() 枯れちゃってるじゃないか! ![]() 残念ながら、枯れちゃったので昭和五年に切り倒されたんだ。高さ16メートルもあった立派な松だったらしいんだけど。 で、この御行の松の前を、石神井川用水、通称「音無川」が流れていた。ここからちょっと上流の川沿いに住んでいたのが、あの三代目三遊亭金馬師匠だ。 ![]() 「あの」って言われても… ![]() 戦後すぐの暗い時代に明かりを灯したのは美空ひばりの歌と金馬の落語、と言う人もいるくらいの有名な落語家だ。明朗闊達な話術で子供にも大人気。 ![]() ![]() 川なんて無いじゃないか。 ![]() この道路が元は川だったんだよ。金馬師匠の家はこの右手の方にあったらしい。ちなみに、この道のどん詰まりには、有名な国語学者大槻文彦の家もあったらしい。 ![]() いわゆる国語事典の元祖、「言海」の人ね。古典落語の勉強用に持ってるわ。 ![]() …何にも残ってないね。 ![]() 案内板くらい立てておけばいいのにね。 ![]() もうひとり、この近所に住んでいたのが柳亭痴楽師匠だ。 ![]() …誰? ![]() 知らないのかい! 「痴楽綴り方狂室」だよ! 「破壞し尽くされた顔の持ち主」だよ! ♪東京娘のいうことにゃ、さの言うことにゃ、柳亭痴楽はいい男、あ~いい男~♪ ![]() (知ってるかい?) ![]() (知らないわよ) ![]() ♪彼女は奇麗なうぐいす芸者、にっぽり笑ったあのえくぼ♪♪ ![]() …ガンちゃんて、ホントいくつなの? ![]() …で、痴楽師匠が住んでたのはこのあたりらしい。 ![]() ![]() さっきから「らしい」ばっかりじゃないか! ![]() しょうがないだろ! 昔の地図と見比べても道の様子も変わっちゃてるし! 案内板がたってるわけでもないし! おまわりに聞いても「わかんね」って言うし! あたしにどうしろって言うんだよ!! 根岸には他にも桂文治とか住んでたんだけど、町の様子が変わっちゃっててよくわからないんだよぅ! ![]() 聖地巡礼とかいったわりには無責任だなぁ。 ![]() よ~し、それじゃああんたたちも絶対に知ってる聖地に案内してやるよ! ![]() ![]() 「ねぎし三平堂」? ![]() ああ、これはさすがに判る。今の正蔵さんと三平さんのお父さんね。 ![]() 「こぶ平のパパ」のことかい? ![]() 先代の、七代目正蔵師匠、つまり初代三平師匠のお父さんは元々根岸に住んでいたんだ。金馬師匠や痴楽師匠は戦後根岸に移り住んだのだけれど、三平師匠は根岸生まれの根岸育ちということだね。 ![]() すごい家だねぇ。 ![]() 三平師匠の人気は爆発的だったからねぇ…あ、もちろん先代の。 ![]() …ガンちゃんて、ホントにいくつなの? ![]() 今の三平さんのお母さん、海老名香葉子さんは戦災でご両親を亡くしてしまい、戦災孤児として知り合いの家を転々としていた。 ある日、神田の立花亭という寄席の前を通りかかったときに”三遊亭金馬”の名前が目に飛び込んできた。香葉子さんの実家は竿忠という釣り竿屋さんだったんで、無類の釣り好きの金馬師匠とは顔なじみだったんだね。 思わず、楽屋口から「あの、金馬の小父さんいませんか」と声をかけてみたら、「竿忠の子が生きていたのか!」。 金馬師匠はそのまま根岸の自分の家に香葉子さんを連れ帰り、「ウチの子におなり」と香葉子さんを引き取ったんだ。 ![]() へえ。 ![]() で、金馬師匠の家で生活していた香葉子さんを、正蔵師匠の奥さんが見初めて、「ウチの息子の嫁に」という話になった。 嫁いだ先が初代・林家三平というわけさ。 ![]() いい話だねぇ…。 ![]() さて、そろそろ帰ろうか。そういえばここから鶯谷駅に行く途中に、あの正岡子規の子規庵があるよ。 ![]() おぉ、NHKのドラマで見たよ! ![]() ![]() ちょっと丸京ちゃん… ![]() ガンちゃん、ここ… ![]() ラブホ街じゃないか! ![]() いくらなんでも女の子のグループが散策するようなところじゃないよ! ![]() 俳聖・正岡子規が生涯を終えた子規庵も今やラブホテル街の真ん中…。饗庭篁村・森田思軒・幸田露伴ら根岸派の文人が通った小路も毒々しいネオンの底ってわけさ。 「歴史と文化の街」、ねぇ…。 ![]() 「歴史」が「セクシー」に取って代わられたって訳ね。 ![]() 上手…くねぇよ! ![]() 聖地の場所はよくわからない、最終的にはラブホ街 …ええっと、つまり今日の結論としては「来るんじゃなかった」ってことでいいの? ![]() おおおぃ! 参考文献:『根岸の里と子規と律』(柏艪舎)
by signal-9
| 2012-11-09 13:40
| 町歩き
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