『女は魔性である』(野元北馬 大正5)
『女罵倒録』(よぼ六 大正9) ― 本日の【近デジ漁り】、座談会形式でお送りします。 ご参加くださるのは 『女は魔性である』(大正5年)の著者、野元北馬さんと 『女罵倒録』(大正9年)の著者、よぼ六さんです。 早速ですが、お二人とも女性に関してはかなり厳しいご見解をお持ちのようですね。 よぼ六
野本
― 『女性は人ではない』ということですか? 野本
― 『奴隷』ですか… よぼ六
― 旦那さんに先立たれ、ご自分で六人のお子さんを育て上げた、大正三美人にも数えられる日向きん子さんのことですね。 よぼ六
野本
― (『大正美人伝』によると、きん子さんはそんな軽薄な女性じゃなかったみたいなんだけどな…) えー、お二人とも女性の虚栄心ということについても書いておられますね。 野本
よぼ六
野本
よぼ六
野本
…とまあ、こんな調子なのであるが、俺の恣意的引用で誤解させては申し訳ないので念のために言っとくと、この二冊、実際にはかなり趣が異なる。 『女は魔性である』の方は観念的で、はっきり言えば晦渋で、楽しむために読む類の本ではない。 ではあるが、そこここに中々鋭い分析・フレーズが垣間見える。風俗・文化史的には興味深い本である。 片や『女罵倒録』、おちゃらけたペンネームからも判る通り、世相や女性の生態を揶揄・風刺するという趣旨のエッセイである。 日向きん子(きむ子)とか、女優の村田喜久子とか松井須磨子など、当時の著名な女性のうわさ話や、見てきたようなバクロ話を盛り込んで、よぼ六氏の筆は軽妙に進む。 こなれた文章といい、匿名だが実は割と名の通った操觚者なのではなかろうか。 大正中期と云えば、「新しい女」・女性の社会進出が進んだ時代である。 『女は魔性である』も『女罵倒録』も、そんな時代ならではの「女性批判」本なのだろうが、こういう本が出せていたのも、社会がある程度平穏だったからで、このしばらく後には、こんなノンキな本は出そうと思っても出せなくなるわけだ。 「女なんて」と、男どもが愚痴っていられる時代というのは、そーゆー意味では「よい時代」といえるのかもしれないな。
by signal-9
| 2012-08-13 20:31
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