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下水の放射線が調べられ始めた。

新潟県
○ 採取場所 新潟浄化センター(新潟市東区下山3丁目)
○ 検査日  平成23年5月3日
○ 調査結果 (*下水汚泥の値)

ヨウ素 不検出 | Cs134 23Bq/kg | Cs137 23Bq/kg
群馬県
西邑楽水質浄化センター(千代田町)、三日に県央水質浄化センター(玉村町)と桐生水質浄化センター(桐生市)で汚泥を採取。一キロ当たりの放射性物質を測定した結果、半減期が約三十年と長いセシウム137を一一〇~二二〇ベクレル検出。さらに、ヨウ素131(半減期約八日)を八六~一〇〇ベクレル、セシウム134(同約二年)を一〇〇~一九〇ベクレル検出した。
茨城県
県下水道課によると、放射性物質の測定は、県流域下水道の那珂久慈浄化センター(ひたちなか市)と霞ケ浦浄化センター(土浦市)、さしまアクアステーション(下妻市)でそれぞれ処理した脱水汚泥と焼却灰を採取して実施した。

検出された放射性物質のうちセシウムは、那珂久慈が脱水汚泥1キロ当たり493ベクレル、焼却灰同1万7020ベクレル▽霞ケ浦が脱水汚泥同716ベクレル、焼却灰同7545ベクレル▽さしまが脱水汚泥同252ベクレル(焼却処理していない)―で、焼却灰の値が高かった。ヨウ素はそれぞれ不検出~300ベクレルだった。那珂久慈が3日、霞ケ浦、さしまが4日に採取した。
栃木県 【5/11追記】
栃木県は10日、宇都宮市茂原の下水道資源化工場で、下水汚泥の焼却灰から1キロ当たり3万2千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
調査結果では、ほかに大田原市宇田川の北那須浄化センターで4200ベクレル、日光市町谷の鬼怒川上流浄化センターで4千ベクレルの放射性セシウムが、下水汚泥から検出された。
東京都 【5/13 追記】
 東京都は12日、都内の下水処理施設「新河岸水再生センター」(板橋区)で先月25日に採取した汚泥の焼却灰から、2万4千ベクレルの放射性物質を検出したと発表した。

 都の調査結果ではほかに、東部スラッジプラント(江東区)で1万6千ベクレル、南部スラッジプラント(大田区)で1万5千ベクレルの放射性物質が、下水汚泥から検出された。

 4月下旬から今月初旬にかけて、福島県に隣接する各県の汚泥から高濃度の放射性セシウムが検出されているが、東京都は詳細な測定を行っていないため、放射性物質の総量を測る「全β放射能」の測定結果だけを発表した。
郡山に比べれば桁違いとはいえ、案の上、各地で検出。

汚泥だの焼却灰だのは、滅多なことでは一般人の口には入らんだろうが、早めになんとかしないと下水処理システムが維持できなくなるんじゃなかろうか…という心配は前にも書いた。
 少なくとも、下水処理に関わる人の安全は確保しなきゃいけないし、今まで通りに建設資材として再利用するなんてことは許されることではあるまい。どうしてよいか判らない汚泥がどんどん溜まる前になんとかしないと、置き場がどんどん無くなるだけだ(まあ、いざとなったらド高めの"暫定基準"にして、「直ちに影響はないから今まで通りで差し支えない」ことにしちゃうのかもしれないが)。

 ところで、下水処理の焼却によってこれほど濃縮されるとは思わなかった。

 郡山で13倍、霞ケ浦で10倍、那珂久慈ではなんと34倍である。どっちみち下水は何らかの沈殿処理はやってるんだろうから、その過程でセシウム吸着菌とか噛ませればもっと回収率がよくなるかも。

 環境への再拡散とか、処理施設の汚染がどの程度なのか不明なので滅多なことは言えないが、も し も 焼却処理してもマクロなリスクはあまり変わらない=燃やしちゃっても、今以上には酷くならないのであれば、焼却で嵩を減らすという手は使えるのかもしれないとちょっと期待。
【5/11追記】
下水道の終末処理場等における環境放射線モニタリング調査結果 〔(5月2日~4日)調査分〕について (PDF:155KB)(23.5.8更新)をみると、焼却処理工程によって外部に大量再飛散…ということはないように思える。まあ、いろんな処理場でもっとよく調べて欲しいが。しかし、中部浄化センターの燃え殻は7.3μSv/h、堀河終末処理場の汚泥保管コンテナでは最大13.5μSv/h…早く何とかしないと、ホントに回らなくなっちゃうんじゃ無かろうか…

 たぶんこれから、剥がした表面土壌とか、バイオ(ファイト)レメデーションに使った植物とか、低レベル汚染がれきとか、色々処理しなきゃいけないモノがあるはずだが、嵩を減らすというのが大きな課題になってくるだろうと思う。

 既存の焼却設備・施設への多少のコスト投下で、対応できる可能性があるのなら、選択の幅が広がるかもしれない。

ま、素人の淡い期待なんだが。

いやいや、もっと言ってしまえば、せっかく東電と国が剛毅にバラ撒いてくれているセシウム(たぶんストロンチウムも)だ。一所懸命集めて再利用するつー手もあるかもな。
原子力委員会メールマガジン2008年2月8日号
問題は、分離したCs-137とSr90の扱いである。廃棄物として処分するのでは分離した意味がないが30年の半減期で放射線を出し続ける放射線源として有効に活用すれば資源である。

光触媒は現代を代表する環境技術の一つである。紫外線と比べると桁違いに大きいエネルギーの量子を放出するCs-137やSr-90を利用した環境技術の可能性は大きいはずである。酸化ケイ素の粉末と水と希硫酸を混合して、Cs-137やSr-90の放射線に曝しておくとプクプクと水素がでてくる。環境の様々な有害物質を分解し、無害化する。この過程での廃棄物はでない。そのまま処分すれば高価なゴミであるCs-137やSr-90の放射線は使い放題、触媒の酸化ケイ素やアルミナはほとんど無料である。

高レベル放射性廃棄物の負担を軽減し、来るべき水素社会構築に寄与できるAnother Nuclear Energy Resourceとして、Cs-137やSr-90などの核分裂生成物の活用をもっと真剣に追及してみたいものである。社会の厄介ものが未来社会では大切な資源として扱われることを想像するだけでも楽しい。
…だそうだから。
by signal-9 | 2011-05-10 18:08 | 東電災害
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