はやぶさのカプセル一般公開が盛況のようである。夏休み中とあって次代を担う子どもたちの見学も多いらしい。誠に喜ばしい限りだ。
と、まあ慶賀の至りですませりゃあいいのだが、今朝このニュースを取り上げていたテレビのニュースショーを、朝飯の横目で見ていて思わず味噌汁を吹き出したんである。 女性レポータが、焼けただれたヒートシールドを見て「熱い宇宙をくぐり抜けてきた」云々とほざきやがった。 「熱い宇宙」だぜ、諸君。 どうやらこのおねぇちゃんは、はやぶさが旅してきた宇宙空間がものすごく「熱い」と思っているらしいのである。 まあ、頭にスイーツ(笑)しか詰め込まれていないアホ娘のいうことにいちいち目くじらを立てるほど暇ではないが、公共の電波を使っているマスコミ殿として、こういう「かわいそうな発言」を堂々と放送しちゃうというヌルさはどうなのよ? 生中継じゃないんだからヘンなレポートくらい、いくらでも編集できるはずだが、それすらしていないということは、おそらくテレビ局の誰も、この発言を奇妙にも思っていなかったということだろう。 思い起こせば、はやぶさ帰還のニュースの中で未だに「大気との摩擦熱で」という間違った「解説」を行っていたマスコミもいたなぁ。 あと、はやぶさのヒートシールドが「1万度の熱に耐えた」とか。「空力加熱に曝されている際の衝撃層内部の気流温度は1万度を越えるが,アブレータ表面温度は3,000℃ 程度である」「はやぶさ」カプセルの地球大気再突入時におけるプラズマ現象とその周辺(PDF))とか、マトモな説明、ちょっとググれば出てくるのになぁ。 まあ、テレビに正確性を求めるのはヤボだという見方もあるだろうが、さすがに「宇宙が熱いトコロ」だなんて思っているバカが堂々と出演し、それがお茶の間にたれ流されるという惨状を見るにつけ、 テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によって、『一億総白痴化』運動が展開されていると言って好い。と、すでに1957年に喝破していた大宅壮一の炯眼には恐れ入るばかりである。
by signal-9
| 2010-07-30 12:26
| 奇妙な論理
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