<   2011年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

郡山市の校庭表土の除去作業が始まった

福島第1原発:校庭表土の除去作業 放射線対策で郡山市 毎日jp 2011年4月27日
福島県郡山市は27日、福島第1原発事故の放射線量を軽減する目的で、市内小学校の校庭などで表土の除去作業を開始した。放射線対策として土壌改良するのは同市が初めて。連休明けまでに、市が独自に設定した基準値を超える小中学校、保育所計28カ所の校庭、園庭の表土除去を完了させる。
方法まとめ
  1. 水を撒いて飛散対策
  2. グレーダーとスコップで表面から1~3センチを削り
  3. ダンプカーにシートをかぶせて市内の埋め立て処分場に搬送

市長記者会見(4月25日午前11時)

いくつかのポイント。
  1. 郡山市の独自基準は、地上1cmで、小中学校が3.8μSv/h, 保育園等は3.0μSv/h。
  2. 文部科学省の基準は、保育所、幼稚園、小学校は50㎝高さ、中学校は1m高さの空間線量率で判断しているが、郡山市では、より安全面に配慮し、すべて1cm高さで判断している。
  3. 除去した表土の処分先は河内埋立処分場(専門家と協議済み)
  4. 費用は合計で1億円弱ぐらい(推計)新聞記事によると予備費から出すとのこと
  5. 民間の学校、保育所、幼稚園なども基準値以上であれば、実施する方針
文部科学省の基準だと、薫小学校以外は屋外活動の制限はないが、他の学校等でも実施する目的は?

保護者の心配が非常に多いことから、市としては、薫小学校の数値に近い学校等についても行った方が良いと判断した。
当初は週末からの作業開始を予定していたが、保護者から早期着手の要望が強く、前倒しした。原正夫市長は「国や県から指示はないが、待っていられない。子供たちの安全を考え、市独自で除去することを決断した」と話した。
 結果どうなるかは、重要な知見になると思われる。

【4/28 追記】
早くも色々知見が得られつつある。未整理だがとりあえず備忘として。
郡山市の校庭表土除去、見直しも 運搬先の住民猛反発 2011年4月28日10時37分 アサヒ.com
 ところが、この日夜に学校教育部長や生活環境部長らが参加して処分場付近の住民向けの説明会を開いたところ、集まった約80人から批判が続出。「地域に事前の説明なしで、なぜ物事を進めるのか」「バカにするな」「国や東京電力がやるべき問題で、市がやることではない」と、市の姿勢に怒りの声が上がった。

 市は安全性について「運ぶのは格別に高い汚染の土壌ではない」などと説明。だが、文部科学省が表土を削らなくても利用時間を限れば安全とするなかで市が独自に取り組んだことに、ある女性は「市の勇み足だ。国がノーと言っているのに、なぜ、市だけが急ぐのか」と詰め寄った。
校庭の土除去“冷静対応を”NHKニュース 4月28日 13時40分
  • 「郡山市の独自の判断だが、土や砂を入れ替えなくても、政府が目安として示した1時間当たり3.8マイクロシーベルト未満の放射線量なら通常の屋外活動ができる。3.8を若干超えても、1日1時間に収めれば屋外活動ができる」
  • 「大事なのは継続的に放射線量の測定をしっかりやることだ。学校の先生に線量計を持ってもらい、安全性の確保を心していくことが重要だ」

枝野長官会見(1)校庭の汚染土壌除去「大変申し訳ない」
  • 「それぞれの学校、あるいは県や市町村などの行政単位、教育委員会単位で、できるだけ子どもさんたちに普通の状態と同じような生活を営んでもらいたいという観点から、さまざまなご努力をそれぞれしていただいているものと認識している」
  • 「校庭などの利用を1日1時間にというような方針を出しているところであるので、さらなる手当をすることによって、そうした制約がなく子どもさんに校庭などを使っていただけるというようなことに向けて、ご努力をされているところがあるということについては、そういった努力を余儀なくさせていることについて大変申し訳なく思うと同時に、前向きなものと受け止めたいと思っている」


新語時事用語辞典: 閣内不一致の意味・解説

【5/06 追記】
郡山市立薫小学校・鶴見坦保育所の表土除去レポート(4月27日)
線量測定結果によると、除去前は4~5μSv/h、除去後は0.9~1.9μSv/hとなっているようだ。おそらくバックグラウンド込みの値と思うので、半減といって良いと思う。
[PR]
by signal-9 | 2011-04-27 13:09 | 東電災害

「区」とか「市」はもう少し動いてくれないのか。3

■現状
  1. 文部科学省が発表している大本営発表-福島を除く「都道府県」レベルのモニタリング数値は、地上10メートル以上の空間線量を計ったものであり、この数値はその「地点」の目安にはなるが、「地域」の状況を示しているわけではない。
  2. 今のところ、事故直後のような大量の空中放出という事態は再発していないようだ。
  3. すでに大量降下から一ヶ月以上が経過した。3月23日に雨の影響で降ってきた半減期の短い放射性物質はほとんど減衰(例:ヨウ素131は元の6%程度)しているはず。逆にいうと、今時点の線量は半減期の長い核種によるものであり、ほぼ底値と見られる。つまり今後はもう劇的には減らない。
  4. 未だ原発からは絶賛漏洩中であり、大量飛散の可能性もあるので空間線量モニタリングは緊急事態対応の意味はある。しかし、「既に降ってしまった放射性物質との同居」を前提にした「普通の生活」における意味はあまり無い。


■事実1:文科省は具体的な除染の作業は何もするつもりがないようだ。

笹木竜三文部科学副大臣と記者のやりとり
記者)
 どうして、校庭にトンボをかけるような形で、表面の上澄みだけどこかへ捨ててしまおうという発想にならないのでしょうか。そうすれば簡単に校庭の放射線量は減っていくという科学者もいますが。

副大臣)
 そういうことは、特に議論にはなっていません。むしろ、今、早くこの基準を出すことが大事だろうというふうに考えて、この原則を出しています。ただ、生活上のいろいろな注意とともに、そういう現場における対応等も、今後も更に付け加えていく可能性はあると思います。今時点は、この年間で20ミリシーベルトという基準にのっとって、再調査した結果を踏まえて早く発表を出すことが大事だということで、対応についても発表させてもらいました。

記者)
 今後、放射性物質を取り除く活動はしないんでしょうか。グラウンドは表面を削る、そのほか壁とかは、雑巾で拭くとか、何か落ちるものを付けて落とすとか、子どもが触ったり遊んだりしても大丈夫なように、教職員や文科省の人が行って取り除いちゃう、もう心配ないですよというふうに。

副大臣)
 生活上の指導も含めて、あれをやらないと安全ではないということじゃないんですが、例えば時間設定じゃないんですが、それ以外の子どもに対する生活上の指導を先生に行ってくださいと、その通知も一緒に出したわけですが、あれをやらないと安全じゃないということではなくて、更に放射線量の影響を受けるのを減らすためにこういう方法がありますよということで通知をしています。それと同じようなことで、そういういろいろなやらないといけない課題が、今後も当然、出てはくるだろうと思っています。まだ、それを具体的に決めている段階ではありません。

まとめ:文科省は調べて通知するだけ。実作業に関しては検討もしていない。

■事実2:アテにならない地方自治体の対応

 一例を挙げると、俺も指摘していたが「葛飾や柏辺りが、他の地域に比べて有意に空間放射線が高いのではないか?」という疑問がある。これに対する柏市役所の公式回答がこちら
Q1.新聞等で見られる千葉県(市原)の数字に比べて、東京大学柏の葉キャンパスや国立がんセンター東病院で独自に測っている数値が高いが問題ないのでしょうか?

東京大学柏の葉キャンパスや国立がんセンター東病院での数値が高いのは事実ですが、現状の水準では健康には、子どもも含めて全く問題ないと、東京大学、国立がんセンターからもコメントをもらっています。

また、市としましても、放射線に関する専門家のコメントなどを読む限り、健康に問題はないと認識してます。

上記2箇所の数値が高い要因として、そもそも、測定のやり方や場所によって数字は変わることがあげられます。
(中略)
このような理由により、文部科学省などが公表している近郊の放射線量率に比べて高めの放射線量率ではありますが、両機関の専門家の意見としましても、人体に影響を与えるレベルではなく、健康にはなんら問題はなく、特段の対策は必要ないと見解を示しており、柏市も同じ認識をしています。

Q2.市としても独自に測定すべきではないですか?

柏市独自での測定を行う予定はありません。

調査、測定、評価には各県の研究機関において、専門機器に熟練した技術職員が必要となることや、測定方法等による誤差を考えれば、結果は同じであり、継続的に東京大学等の数値を把握し、専門家の意見を参照すれば良いと判断しています。この数値の変化については、柏市としても注視し、急激な上昇がある場合については、専門家に問い合わせ、適切な対応を図っていきます。

Q3.柏市では通常に生活するのに問題があるのでしょうか?
普通に生活していて問題ありません。「独立行政法人 放射線医学総合研究所」から4月14日付けで次のとおり見解が出ています。

「文部科学省発表の空間線量率を見る限り、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木はおおよそ東京と同じくらいと考えて下さい。茨城は、大気中の放射線による線量は、文部科学省が発表したデータから累積し、通常時の平均値分を除くと、データのある3月15日以降で66マイクロシーベルトを超える程度です(1日8時間屋外に居たとして)。普通に生活して下さって問題ありません。(放射線被ばくに関する基礎知識 第6報)」
質問と回答がかみ合っていないのである。

 「文部科学省発表の空間線量率を見る限り、」と前提条件が付いていることに注意が必要だ。
 このブログでも再三繰り返しているように、文科省の計り方は平時にγ線を正確に計る為に地上10メートル以上のモニタリングポストで計測している値だ。今のところ大半の放射性物質は地表に落ちているので、そりゃあ積算しても66μSvくらいに収まるだろう。
 市民が不安に思っているのは、この値ではなく、東大の柏の葉キャンパスなどでは常時0.4~0.5μSv/hが計測されている、という点である。
 1ヶ月の積算は66μではなく0.4*31の372μで、この値が今後(4月以降)ずーっと続くとすれば(その可能性は高い)、単純積算では3~4mSv/yになってしまい、安全だと言われている1mSvを大きく越えてしまうということなわけだ。

訂正。その後掲載されたFAQによると、東大の測定はバックグラウンド込みなのだそうだ(俺はこの記事を書いたときには、文科省方式で抜いてあるのだと思っていた)。だとすると、日本の平均的な自然被曝1.5mSv/yに基準1mSv/yを加算した 2.5mSv/yあたりの値と比べるのが正しい。よって「1mSvを大きく越えてしまう」は訂正させて頂く。ただし、本項の論旨は変わらない。

 「柏市民なんだけど、柏の放射線量が他に比べて高いのが不安。このままずっと住んでて大丈夫なの?」

 「面積114.90平方キロ、人口381,535人の柏市ですが、東大の柏の葉キャンパスなどピンポイントで測定した結果で急にヤバくなった場合だけ対応を考えます」
 「ウチが調べても正確な値は出せないので他人任せです」
 「大丈夫大丈夫独立行政法人が大丈夫って言ってるから大丈夫」

 これで質問した市民は「ああ、よかった安心安心」と思えるだろうか。
 何故、既に降ってしまっている放射性物質の汚染状況ではなく、緊急対応の空間線量だけをウォッチすることで事たれりとするのか。

 つまり質問と答えがかみ合っておらず、答えに都合のいい「根拠」を採用していると思われても仕方がないだろう。

 個人的には俺も、金町や柏の現在判っている程度の線量は絶対に他にも出ている(調べていないから判っていないだけ)だろうし、このレベルの線量ならマクロ的には大騒ぎする必要はないと思う。

 だが、そのことと、「市民に安心を与える」のは質が違う話である。

■動き始めた地方自治体もある。

 一方で、地域住民の安心-ひいては地方自治体の税収維持(^^;)のために独自に動き始めた地方自治体も出てきた。

長野県松本市では独自に計測機器を購入し、市内の複数の場所での定期観測・データ公開を始めた。
福島県郡山市は市内28の小中学校と保育所で、放射性物質が含まれているとみられる校庭・園庭の表土(深さ2~3センチ)を試験的に除去すると発表した。

 俺的にはこっちの方が「正しい地方自治」のあり方だと思うのだが、どうか。

 「積極的に何もしない」というのは、平時においては有効な役所流処世術かもしれないが、今回のようなケースでは自分たちの首を絞めることになるだろうことは以前から指摘しているとおりだ。

 今のところ俺は、将来次のようなことが起きても驚かない。

「市役所は独自に調べる気がない」→「調べるとヤバいことがはっきりするからだ。何かを隠しているに違いない」→「ヤバいかどうかもわからない、こんなところには住めない」→住民流出・不動産価格の下落その他諸々→税収減→市役所大リストラ。

 何でもかんでも「風評被害」で片付けるのは勝手だが、「風評」を生み出しているのはいったい誰なのか。

【追記】
表土を除くという郡山市に、何もする気のない文科省が文科相、福島・郡山の小中学・表土除去に「事実関係確認したい」 2011.4.26 13:21 産経
高木義明文部科学相は26日の記者会見で、原発事故を受けた放射線対策として、福島県郡山市が小中学校の校庭などの表土を取り除く方針を示したことについて「市としての独自判断だと思うが、事実関係を確認したい」と述べ、取り除いた土の処分方法なども含め、福島県を通じて詳しく事情を聴く意向を示した。

 また高木氏は、ほかの地域にある学校での表土除去の必要性について「その都度放射線量を計測して、基準以下であれば必要はない」と述べた。
いや、だからぁ、「取り除いた土砂は市内の埋め立て処分場に運ぶ」し、「子どもの安全を考慮して文科省より厳しい基準とした。土砂の最終処分法は今後検討する」つってるわけだ。なにが気に入らないのだろう?
[PR]
by signal-9 | 2011-04-26 13:57 | 東電災害

ダチョウ・アルゴリズム。

 コンピュータ屋の世界では「ダチョウ・アルゴリズム」という考え方がある。可能性はあるが発生確率が低い問題に関しては、ダチョウのように頭を砂の中に突っ込んで見てみないふりをする、という意味だ。

 このダチョウアルゴリズムは、「発生頻度が低い事象」の場合にだけ適用できる。

 もうすでに身近に涎を垂らしたライオンが来ているのに砂に頭を突っ込んでいては喰われてしまうからだ。

下水で懸念される放射性物質
農作物や建築資材への影響も DIAMOND online 2011年4月12日
その処理過程で関係者を不安にさせているのが、汚泥焼却後に残された“灰”だ。下水に含有する放射性物質は、浄化水よりも汚泥により濃く残されると見られているが、汚泥は焼却温度850度程度の一般的な焼却炉で処理される。このため「灰に濃縮された放射性物質がそのまま残る可能性がある」(首都圏の自治体幹部)という。
 そもそもフツーの焼却炉で焼却なんかして大丈夫なのか…というツッコミを置いておくにしても、わかってるんなら何か手を打て、といいたいが、
ところが、放射線量測定器を備える自治体はわずか。別の自治体担当者は「国が率先してほしい」と切望する。しかし国交省担当者は「被災地の下水道復旧工事で、人手が足らない」とし、「下水道法と水質汚濁防止法の規制対象と規制基準を決める環境基本法そのものを変える議論が必要」と話す。
つまるところ、「ウチの所管じゃあないから何も出来ない」つーことである。

 「放射性物質は洗えば落ちる」というのは、除染に使った水に放射性物質が移り希釈されているからヨシという論理なわけだが、都市部では結局、下水として集められるから放射性物質も再集積されるわけである。

 屋根に降り積もった放射性物質は、雨樋に集められ最終的には下水に流れ込んでいるのである。そんなことはみんな判ってるのである。

でも調べない。
手も打たない。

 放射能とは関係のないがれきの撤去ひとつにしても、所管の役所同士で分担が違うだの法的根拠だの言ってるわけだ。

 ただでさえカネが無いんだからわざわざ俺の財布から出すことはない。このまんま見て見ぬふりをしていてまかり間違って被害が出ても、ン十年後のことだろうし、因果関係の証明も出来ないだろうし、その頃には俺は異動してるか引退してるかだろうし、ババさえ引かなきゃいいや。

 俺の中の妄想上の子役人はこういう風にツイートしてるんだが。邪推かねぇ?

 既に「ライオン」の臭いがプンプンしてるけど、となりのダチョウさんが首を砂に突っ込んでいるので俺もそうする、つーわけである。

 胴体(住民)がむしゃむしゃ喰われてしまっても、首(役所)は砂の中だから大丈夫。

 んなわけあるか。

[PR]
by signal-9 | 2011-04-25 12:42 | 東電災害

国立がん研のデータをプロットしてみた。

国立がん研究センター中央病院(東京都中央区築地)における放射線量測定結果で公開されているデータをプロットしてみた。
c0071416_14295767.jpg

青い線は、屋上の西南東北四点の平均値、赤い線は屋上地面(コンクリート)1cmである。
GMカウンターで計られたcpm単位だそうだが、GMカウンターの仕様がわからないので、μSvへの換算はできない。
大雑把に言って、
  1. 3月22から23日の雨の影響でどかんと落ちてきて以降、大規模な放射性物質の降下はないようだ。
  2. 3月20から21日頃の地面の測定値が155~270cpmで、この時点では空間線量とあまり大きな差がないが、大量降下で跳ね上がり、それ以降、差は縮まってきているものの依然4倍くらい高い状態にある(これが俺の「新宿の地上18メートルの値で、東京23区全部を語ってしまっていいのか?」という疑問のひとつの理由)。

もうひとつ、同じ国立がん研究センタの東病院(千葉県柏市)敷地内における放射線の測定結果で、C:屋外(駐車場コンクリート面)とD:土壌(芝生面)をプロットしてみた。
c0071416_1430266.jpg

こちらも大雑把にいって、
  1. 同じ研究センターなので、類似機材・類似の計り方と仮定して築地と比べると、柏の方が高い。他のデータ、例えば東大の観測をみても都内に比べて柏が高いことは確からしい。
  2. コンクリートと比べると芝生の方が線量が高い傾向にあるが、同時に減衰傾向も芝生の方が高いように見える

ちょっと不思議なのは、4/18~19日にかけて、コンクリートと芝生で同じようにガクンと減っている点だ。

 4月19日は雨だった。

 過去のデータの推移を見る限り、両方がほぼ同時にガクンと減っている傾向は他には見られないので、これは「雨のせい?」と思うのだが、どういうことなのか。そこにあった線源が雨で消えて無くなるわけはないので、どこかに移動しているということなのか?
  1. 芝生の芝に付いていたものが落ちて、その下の土壌に流れた。
  2. コンクリートの方はそもそもあまり沈着しておらず、雨で流れた。
  3. 両方とも雨というより風の影響で吹き飛んだ。

ということなのか。 それとも単なる計測誤差か。

【4/22追記】
 柏のデータ、20日と21日には、コンクリ・芝生とも数値が上がった。 流れたわけではなく、計測誤差の可能性が高いみたいだが、風の影響という可能性はまだ排除できないかなぁ。
[PR]
by signal-9 | 2011-04-21 14:35 | 東電災害

「秘密兵器」なんて存在しない。

汚染水浄化、仙台産ゼオライトが有望…学会有志
東電福島第一原発のタービン建屋地下などにたまる高濃度の放射性物質を含む水の浄化に仙台市青葉区愛子(あやし)で採れる鉱物「天然ゼオライト」が有望であることを日本原子力学会の有志らがまとめ、7日発表した。
セシウム浄化技術、開発 汚染水に顔料混ぜ--東工大チーム
医薬品などに使われる市販の顔料で、原子炉から発生する放射性物質のセシウムに汚染された水を浄化する技術を、東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授(原子力工学)らのチームが開発した。東京電力福島第1原発の事故で発生している汚染水の処理のほか、周辺の池や沼の浄化にも活用できるといい「一日も早い地域の生活、農業再建に役立てたい」としている。
汚染水浄化する!? 粉開発…金沢大教授&クマケン工業
東京電力福島第1原発事故で、放射性物質の汚染水が復旧作業の大きな障害となる中、金沢大の太田富久教授(64)とクマケン工業(本社・秋田県横手市)が19日までに、水処理に活用できる可能性がある「粉」を開発した。水中の放射性物質をつかまえて、沈殿させ、浄化する効果があるという力強いパウダー。太田教授は、「現場で使っていただければ」と、期待を寄せている。
 とまあ、マスコミは色々と取り上げているようだが。

 昨夜放送していた日経スペシャル「ガイアの夜明け」原発に立ち向かう~ニッポンの技術と家族の絆~でもこの手の話がイロイロ出てきていた。
これまで災害危機のために培われてきたニッポンの民間技術が動き始めている。かつて「ガイアの夜明け」で取材した日本ポリグルの小田兼利・会長。納豆のネバネバ成分で、汚染された水からヒ素を除去し、安全かつきれいな飲料水に浄化する。その技術は、バングラデシュをはじめ世界中に広がっている。その小田会長のもとに、東京電力から連絡が入った。「その技術で汚染された水を浄化できないか」。小田さんは早速、実験を始めた。…
日本が誇るロボット技術も準備を進めている。福岡・宗像市のベンチャー企業・テムザックは、遠隔操作できる大型ロボットで現場の瓦礫除去に挑もうとしている。災害対応ロボット「T-53援竜」は、巨大な両手を人間の手のように自在に動かし、300メートル離れた場所から遠隔操作もできる。4月4日、国内外の災害対応ロボットが某所に集められた。その動向を追った。
 だが、実際に使われているのはアメリカのロボット(アイロボット社製「パックボット」)だし、汚染水処理施設はフランスのアレバ社である。
こうした処理方法は「日常的にアレバの工場の水リサイクルで実施している」(ロベルジョンCEO)といい、同社は福島のケースでも適用可能としている。
「日常的に実施している」ここ重要。

「ロボット先進国」の自負は日本の幻想? 福島原発事故に立ち向かう米国製ロボットの存在感 DIAMOND ONLINE
それにしても、日本はロボット王国のはずではないのか。いったいどうしたのか。その答えは恐らく日本のロボット技術開発が製造現場で使われる産業用ロボットや、かわいい動物や精巧な人間の動きを模したヒューマノイド型に集中しているためだろう。


 この見方はおそらく正しい。4/20付けの読売新聞記事にもあったが、端的に言えば日本のロボットでは、今の過酷な状況で使えるモノがなかったというのが真相だろう。

 クリティカルな現場では、「実績がある」ことが重要である。
 運用の実績があり、コストが見通せる手段でないと使えないのである。
 「ドロナワで作りましたが、たぶん上手くいきます」ではマズいのである。

 例えばアイロボットなんていうのは、軍用ロボットとして戦争というクリティカルな状況で培われた技術のバックボーンがある。
 汚染水処理に関しても同じ事だ。膨大な量の汚染水を可及的速やかに、安全を担保しつつ見通しの出来るコストで処理できる技術なんていうのは「現場」で磨かれるものである。

 「今日実験室では上手くいきました」なんてのでは使いようがないのである。
 「秘密兵器が急に登場して大活躍」そんなのは映画やアニメの世界の話だ。

 悲しいかな、これが技術大国・ニッポンの姿だ。
 研究者・マスコミ含め、我々はこの「幻想」から脱却する必要があると思う。
[PR]
by signal-9 | 2011-04-20 10:38 | 東電災害

「区」とか「市」はもう少し動いてくれないのか。2

 前の書き込み通り、俺は東京都民である。もう既に俺の心配事許容量はオーバーしているので、大所高所の立場でまんべんなく心配するようなことはできない。そもそもリスク評価にはかならず「誰にとっての」という主語があるはずである。

 だから主に東京の話を書く。

 さて、新宿百人町の放射性降下物測定で、事故以来のセシウム(Cs137)の降下量を単純に累積してみると、6600Bq/m^2 = 6600MBq/km^2以上が新宿百人町に降っているということになる。

 東京23区は621km^2あるので、単純計算で23区内に4TBqの放射性Cs(主に137)が存在しているということになる。

 これが生活空間にまんべんなく拡散しているのであれば「ただちに影響はない」だろうが、いくつかの実測値がどうも場所によって汚染濃度の差がありそうだということを示唆している。

 だから早急にもっとメッシュの細かいリスクマップを作成する必要があると思うのだ。

 都市部でいえば、まずは子どもが多く集まる場所を優先して調査すべきだろう。
 例えば学校(特に土のグラウンドや花壇)・公園・池などの水たまりなどがあるところなどだ。
 これは別に俺が子どもを優先するイイヒトだからではなく、
  1. 余命が長い
  2. 成長途上で細胞分裂が活発
  3. 大方の線源が地表近くなのであれば、体の小さい子どもやペットは線源にそれだけ近いのだから、逆二乗則が効いてくるかもしれない
  4. 子どもやペットは土はベタベタ触るし、その辺に生えている草を平気で口に入れるとか、予想の付かない挙動を取ることが多い
ので相対的に高リスクなんではないかと思っているからだ。

 また、都市部で気になっているのは下水である。

 上水道は入口出口で調べているようだが、下水処理の過程での汚泥に関してはどうか。 コンクリートやアスファイルトは土ほどCsなどを留めないとすると、放射性物質は雨水で流れ、最終的には下水汚泥の中に集まるかもしれない。
 汚泥や、その処理によって出来る焼却灰やスラグの中にCsなどが集まると、今度はその始末を考える必要があるだろう。

 このような場所を重点的に調査・評価した結果として「リスク無し」だったらそれはそれで幸せなことだが、この辺り、地方自治体の立場で見ると、早急に手を付けないと絶対に後悔することになるだろう。

 残念だが、関東以北はすでに放射能汚染地帯として見られている。

 それぞれの地方公共団体・自治体が、責任を持ってきちんとしたスクリーニングを行わない、情報を発信していかないと、労働人口・企業の流出、地価の下落、それらに伴う税収の減少…といったことが起こるだろうことは容易に想像がつく。

 しかも今の状況を見る限り、現政権の元での「国」はそういうところには手を付けてくれそうにない。

 「国が国が」で手を拱いていると、自分たちの首を絞めることになると思う。
[PR]
by signal-9 | 2011-04-14 18:15 | 東電災害

「区」とか「市」はもう少し動いてくれないのか。

 東京在住なので、土地勘のある東京を例に引くが。

 文部科学省「全国大学等の協力による空間放射線量 」PDFによると、
東京都文京区での、4月9日から4月10日までの1日(24時間)での空間放射線量の積算は4μSv/dとなっている。

 おそらくバックグラウンドを差し引いていないだろうから、実際の事故由来の値がどの程度なのかは不明だが、すでに事故から一ヶ月を経過しており、半減期の短いI-131由来の線量は元の15%程度に減っているだろうから、これ以上大きく下がることはないのかもしれない。
 ということで、これを底値と仮定して年間に換算すると×365で1460μSv( 1.4mSv/y )。バックグラウンド込みとすれば問題になる値ではなかろう。あくまでも空間線量としては、だが。

 ところでこの文科省の資料、元は東大の本郷キャンパスの調査と思うが、この大本の調査をみるといろいろ疑問が湧いてくる。

 4/11の15:00 断面で、「本郷(1)」が0.15μSv/h(3.6μSv/d=1.3mSv/y) で、「本郷(2)」が0.07μSv/h(613μSv/y)と、倍半分も違う。小数以下2桁あたりでは計測器の誤差や計測場所によってかなりの幅がありそうなことは考えられるが、東大構内は、でかいとはいえ高々2km四方に収まるくらいだ。この範囲内で倍半分も差があるものなのか(絶対値の高い低いを問題にしているのではないことに留意願いたい)

 放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリングをざっと見渡すと「東京都葛飾区金町」の値が、他の場所に比べて高く、他の観測では明確に見てとれるI-131の減衰による低減傾向が見られないということに気づく。
 半減期という物理法則は動かないのだから、線量の高低は別として低減傾向は見えていいように思うのだが。計測方法の問題など何か別の要因があるのかもしれないが、どうもよくわからん。

 葛飾が相対的に高いという一点に注目して、IやCsも一般的なNO2や浮遊物質みたいな挙動をすると仮定すると、大気汚染地図情報(速報値)で見られるように、23区で言えば、海に近い低地の、中央部から東側により集まるような傾向があるのだろうか?

 そういえば、国立天文台の方が福島の線量率の可視化(PDF)を行ってくれているが、これを見ると地形の効果はかなり大きいらしいことがわかる。まるで北西方向に流れた放射性物質が、その後低い地形に沿って南西に流れたみたいに見える。

 ところが一方、3/12-4/5までのSPEEDIによる外部被ばく積算線量試算値では、相変わらず北西及び海沿いの南方向の汚染情報しか出ていない。

 実測値に基づく上と比べてみると印象が異なる。

 もうひとつ、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)敷地内における放射線の測定結果をみると、屋外(駐車場コンクリート面)と土壌(芝生面)ではかなり有意な差が見られる。
 これもまた平常時のバックグラウンド(芝生の方が元々高いのか)がわからないが、Csは土壌の表面に定着するということを考えると、もしかして比較的普遍的な傾向を表しているのかもしれない。これがフツーのKとかRn由来の差異だったらよいのだが。
 小さな子どもやペットは土の多い場所-公園や河岸とか-では遊ばせない方がいいのだろうか…

 …と、あれこれ憶測しなきゃいけないのは、そもそも
  1. 観測点が少なすぎる
  2. 観測方法(機器や位置など)がまちまち
つーところに起因する。

 文科省とか水道局とか、個別にがんばっているのは理解できるし、自前で観測を行ったり集計を行ったりしておられるボランティアの方たちの努力を否定するものではない。
 しかし、そもそもそういう活動を行わなければいけないのは何故かといえば、各地方公共団体(「区」とか「市」)の情報提供が足りていないからなのではないか。

 NHKでは毎晩「今日の各地の放射線量」みたいな報道を行っているが、例えば東京で言うと、そこで使われている数字は新宿区百人町のものだ。
 23区のそれぞれのホームページを見ても、自前で自分のところの区民の為に線量の測定を行っているところは見あたらない。ほとんどがこの健康安全研究センターへのリンクで済ませているようだ。足立区は3月27日まで自前で調査・公開していたが、観測機器が故障という理由で中断している(情報統制?と邪推したくなる)。

 本郷の例のように、同じ町内というごく狭い範囲でさえ、この数字は倍半分も異なるのだ。
 新宿での計測結果と葛飾での状況が一致すると考える方がおかしいのではないだろうか。 
  1. 天候や地形の影響で、放射性降下物の量は、狭い範囲でもかなり違いがありそうだ
  2. コンクリートや土など、地面の様子でもかなり違いそうだ
この程度は妥当な推測だと思う。このような状況で、「新宿区百人町」の結果で東京23区を代表させる的な「発表」はミスリードになりかねない。

(4/15追記)
健康安全研究センターで
FAQページが公開された。
それによると、この空間線量は地上18メートルでの計測とのことである。この方法が妥当なのかどうかは俺には判らないが、他のところは概ね地上1メートルあたりで計測しているのではないだろか。
 少なくとも俺は、この値を別のどこかの値と比較して、高い低いを判断するのは躊躇われるなあ。

 福島第一原発はまだまだ放射性物質の大量流出の可能性があるので、速報性という意味で空間線量の測定の充実も必要だろう。
だが、既に空間線量の増減だけで一喜一憂する段階は過ぎていると思われる。

 そろそろ各地方公共団体は、独自に汚染の実態把握と対処に動くべきなのではあるまいか。
[PR]
by signal-9 | 2011-04-13 12:56 | 東電災害

東京電力災害に関する備忘

 ブログの更新がピタっと止まっているのを心配した友人からメールが。
 大丈夫、生きてます。

 この震災と東電災のおかげで、仕事が先の見えない忙しさだし、ブログになにがしか書くような気分でもないのだが、備忘として。

情報:放射性核種(セシウム)の土壌-作物(特に水稲)系での動きに関する基礎的知見


  1. 土壌から白米への移行係数(白米1 kg当たりの放射能濃度/土壌1 kg当たりの放射能濃度の比)は0.00021~0.012で、土壌中のK濃度が高いほどCs-137の作物への移行が少ない傾向にあるとの報告もある

  2. 施用資材によっても移行係数は変化し、通常のNPK三要素を施肥した場合に比べK肥料を無施用で高くなり、堆肥施用で減少するとの報告がある

  3. .......φ(..)メモメモ カリウム系の肥料はある程度対処になるかも、つーことか。

  4. Cs-137とKはイネ体内では比較的類似した挙動を示す。作物に吸収されたCs総量のうち玄米に移行した割合は12~20%(津村ら1984)である。糠部分で白米より高い濃度にあることが知られており(Tsukadaら, 2002b)、白米のCs-137濃度は玄米に比べ30~50%程度低い

  5. 糠部分で白米より高い濃度にあることが知られており(Tsukadaら, 2002b)、白米のCs-137濃度は玄米に比べ30~50%程度低い

  6. .......φ(..)メモメモ 玄米より白米っと…。

  7. 可食部へのCsの移行が少ない場合であっても、稲ワラ等の非可食部の処理をどうするかは重要な問題である。例えば、イネの場合、白米とそれ以外の部位のCs存在比率は7 : 93との報告がある。非可食部の家畜への給与、堆肥化、鋤込み、焼却等の処理により再び放射性Csが食物連鎖を通じて畜産品に移行し、あるいは農地に還元される等の可能性がある。

  8. .......φ(..)メモメモ 「ひまわり植えて」…的な話と同じだな。燃やそうが腐らそうが消えないものなあ。


「137CSは土壌に定着しやすい」は確からしいが、都市部のコンクリートへの定着率はよくわからん。
「雨で流れる」という見解もあり、逆に「いやいやコンクリートとも結合しやすい」という見解もあり。
都内の環境放射線測定結果降下物(塵や雨)の放射能調査結果や、つくばの高エネルギー加速器研究機構核種分析を見る限り、ドライベント+雨の影響らしかった3月15日~3月23日頃ほどの量ではないにせよセシウムは降り続いているようだ。
少なくとも「都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果」のCS137の値を単純に積算すると、既に新宿には6600Bq/m2以上、CS137が降っているはずだ。空間線量にしてみれば微々たるものとはいえ、平野や山岳に比べれば物理的に構造が複雑な都市部だと吹きだまりとか汚水が溜まりやすいところなど、マダラにホットスポットができそうな嫌な予感もする。都市環境の場合、コンクリを直接喰ったり舐めたりするヤツはいないだろうし、草木も生えないので生物濃縮を心配する必要も無かろうが、呼吸による取り込みは気になるなあ。

Cs137はカリウムと似た挙動を示すらしいので;
カリウムを多く含む食品
WholeFoodCatalog.com カリウムの少ない食品
こういうのは押さえといた方がいいのかなぁ。

海の問題;
海産生物と放射能 ―特に海産魚中の137Cs濃度に影響を与える要因について―
日本近海における海水及び海底土の放射能調査
海産生物の濃縮係数
一時水産庁は「Cs137は魚類では濃縮されない」的な話をしてたが、見解、再検討だそうだ。
[PR]
by signal-9 | 2011-04-07 16:51