カテゴリ:奇妙な論理( 56 )

NHK「日本の、これから『ネット社会』」

 NHK「日本の、これから『ネット社会』」12月9日放映。

 「議論」された内容はさておくとしても、番組中、坂村"TRON"健氏を始めとして指摘があった、NHKの設問のズサンさ・進行の稚拙さに関しては、傍で見ていてもイライラした。

 「インターネットの政府規制、是か非か」みたいな粗雑な二分法で、何がわかるというのか。
 番組内での再三の指摘に、NHK側は「議論の取っ掛かりとして…」みたいなエクスキューズを繰り返していたが、粗雑な取っ掛かりからは粗雑な「議論」しか生まれないし、案の定、番組全体の印象としてはカオスそのものに終始した感が強い。

 そもそも「二分法」つーのは、トンデモ理論やら政治的アジテーションで頻繁に見られるように、筋道たった話し合いには向かない取っ掛かりである。
 定義すらあいまいな事柄に関して、二択の選択を求めるなんざ、「NHK,なにか世論誘導を狙ってるのか?」という疑念すら持ってしまった-番組を終わりまで見て、NHKはそこまで利口ではなかった、という結論に達したが(笑)

 まあ、所詮「娯楽番組」であるので、議論の深まりより「わかりやすさ」優先だ、と言われりゃあそれまでだが、そうであっても、「わかりやすい」ことが良いことだ、なんて前提からして疑ってかかてみたほうがいいのではなかろうか。そもそも技術に係わる問題を、技術用語が出たらば「ちょっと専門的になりました」で腰を折る、それって本当に「わかりやすい」のか?

 電脳屋ケンちゃんと、運用に携わってる人間と、「使うだけ」の一般ピープルを同列にして意見を語らせて…って、それがまともな「議論」なのか?
 議論の中で出ていた「免許性」の例えを使わせてもらうと、助手席にしか座ったことがない/運転はするが、自動車の内部機構には無知/自動車には詳しいけど、道路交通法は素人…みたいな雑多なヒトビトが集まって、「是か非か」たってねぇ。問題の定義・理解自体が同じじゃないんだから。
 せめて話の土俵ぐらいはある程度レベルあわせしないと。

 群盲象を撫でるとか衆愚とかいう単語が頭を過ぎったが(笑)、「朝生」や「ジェネジャン」みたいにバラエティ番組を作りたかったのなら、ハナから対立する立場の人間を用意して話させた方がナンボか「わかりやす」かったのではないか。
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by SIGNAL-9 | 2006-12-11 17:05 | 奇妙な論理

「金総書記、11ものホールインワン達成」

金総書記、平壌の会員制ゴルフクラブで11ものホールインワン達成 - 北朝鮮 AFP 2006年 12月 06日 16:37:12
【平壌/北朝鮮 6日 AFP】金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong Il)総書記は、世界でも類をみないスポーツ施設であろう会員限定のPyongyang Golf Clubで、1ラウンドのうち合計11ホールでホールインワンを達成したという。金総書記の卓越した才能は、核兵器による瀬戸際外交にとどまらない。「将軍様」の個人崇拝の徹底化に尽力する北朝鮮の宣伝機関は、パー72、7700ヤードのコースで成し遂げた金総書記の偉業に、熱狂的な称賛を送った。写真は北朝鮮の外務省入口に飾られた金総書記の肖像(2002年8月26日撮影)。(c) AFP/Shingo ITO
ぶぅわはははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
さすが偉大なる将軍様。やることなすことスゲエな。

 まあ、北朝鮮のゴルフ場というと、こういうモノもあるみたいだが。

グリーンに乗せればホールインワン 金剛山ゴルフ場来年オープン 朝鮮日報 2005/11/21 07:34
「ホールインワンを経験していない方々は、金剛(クムガン)山ゴルフ場においでください」

 ボールをグリーンに乗せるだけで、ホールインワンになる“漏斗型”のホール、世界最長のホールなど、異色なホールを揃える金剛山ゴルフ場がその輪郭を現した。

このゴルフ場の14番ホール(パー3)は、グリーンが漏斗状(写真)であるため、ティーショットをグリーンに乗せるだけで、たいていは中央にあるホールカップに吸い込まれてホールインワンになるように設計された。
 偉大なる将軍様のマネが誰でもできるというわけにはいかないだろうから、全ホール漏斗状なのでは…という推定には無理があるか。

 「タマはどこにいった?」
 「…、あ、入ってます入ってます将軍様!!!」

 なぜか妙にポケットの膨らんだ随行員がカップに手を突っ込んで…を11回繰り返したとかな(笑)

「米国防総省のコンピューターが金総書記を分析した。何度やっても「偉大だ」という結果が出る。怒って電源を切るが、モニターには「21世紀の人類の前途を照らす太陽・金正日将軍」という赤い文字が浮かび、「米国は滅ぶ」という声が響く。そのとき白頭山の正日峰では雷鳴がとどろき、その霊力で金総書記を守っていた」みたいな話を、この現代において堂々と開陳してしまう「国」。

 いや、むしろ恐ろしいのは、「普通の世界の人間」からみれば『ま~た笑かそうと思って…』という話が、「個人崇拝の徹底化」に有効性を持つ-と認識されている-「国」が現実に存在する、ということだなぁ。

 6ヶ国間協議も結構だが、こういう国と「対話」が成り立つのかねぇ。
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by SIGNAL-9 | 2006-12-08 13:09 | 奇妙な論理

「給食制度」はダメだから…?

【コラム・断】給食費という高い税金 2006/12/02 10:50 産経新聞
給食費の滞納や支払い拒否事例が問題となっている。確かに悪質なケースもあろう。だがマスコミ世論に追従するなら小欄の存在意義はない。先日、住民票の交付料をぼったくりと評した。たかが300円の話と思われた読者もいるだろうが、再び異議を申し立てたい。
 評論家の潮匡人氏のコラムである。

 馬鹿正直に指摘しておくと、「決まり自体の問題」と「決まりを守らないことの問題」をすり替えて論じている。

 彼の論を要約すると;
  1. 給食費は高い
  2. なぜ画一的な食事を強制されるのか
  3. 諸外国では非スタンダード
 だから「全員弁当にしろ」「無料給食にしろ」「帰宅させ昼食を取らせろ」…と要約できるが、そもそもこれは「給食費の滞納や支払い拒否事例」問題とはまったくの問題である。

 今問題とされているのは、「決め事を守るべき」という立場の人間からみて正当な理由もないのに、ただ単に払いたくないから払わない、払えるのに払わない、しかも給食自体は食わせろ、という奴がいるという点である。
 その決め事が客観的に不合理かどうかは、別の問題である。

 例えば、仮に親側が「決め事」に対して、「画一的な食事が不都合」「諸外国ではこんなことやらない」という信条的不満を持っているのなら、給食費は払った上で-いちおう「決め事」を守った上で-、わが子には弁当を持参させる、という選択だってあるわけだ。

 「スピード違反が出るのは、速度制限という法律があるからだ。法律を廃止すればスピード違反はなくなる」

ま、どうみても無茶な意見だが、論理的には正しい。たしかにひとつの意見ではある。だが、「だから現行の速度制限を無視していい」、ということには普通ならない-社会を維持する前提でなら。
 「決め事が間違ってるんだから守らなくていい」というのは、無政府主義(アナーキズム)ですらない。単なる「無秩序」である。

 さて、この潮氏の「論」自体だが。

 「給食費が高い」というのは、「でも、それで助かってる御家庭もあるようですが何か?」「ウチは共働きだから弁当作る時間なんか取れないわ」みたいな反論があるだろうし、「画一的な食事の強制」の方も「んじゃあ、ご家庭の経済力の差がダイレクトに可視化されちゃっていいのね? それって差別やいじめを助長するかもしれないけど」「給食制度には、単なるエサの補給ではなく『協力して配膳して食べる』みたいな教育的意味もあるんでは?」みたいな反論は当然あるだろう。

 つーか、今の市井の論議を見ていても既に論点としてあちこちで挙がっている。

 まあ、議論の為の撒き餌-今時風に言えば「釣り」-を意図した故のことなのかもしれないが、全国紙に載った評論家つー肩書のヒトの文章としちゃあ、少々程度が寂しくないかねぇ?
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by SIGNAL-9 | 2006-12-04 17:00 | 奇妙な論理

朝日新聞の魔女狩りのロジック

【社説】2006年11月11日(土曜日)付 核を持つ 日本を危うくするだけだ 朝日新聞 11/11
北朝鮮の核実験後、麻生外相や自民党の中川政調会長らが、核について議論する必要性を繰り返し説いている。

 議論するだけならよいではないか。そんな声もあるようだが、要職にある政治家が議論しようと言う以上、それだけではすむまい。まず自分の意見を言うべきだ。
外相も政調会長も、もし異論があるのなら、ぜひ語ってほしい。
朝日性健忘症。こう呼びたい気がする。
まったく同じ新聞の同じ社説で、10月20日にはこう言っていたのだ。
批判に対し、麻生氏は「言論を封殺するという考え方にはくみしない」などと答えた。話をすり替えてはいけない。
 「言論の自由」を振りかざす問題ではない。
非核三原則は守ると言いつつも、この時期に、そんな危うい発言を繰り返す外相の見識を疑う。
政府与党から方向違いのメッセージが出され、誤解を招くのは迷惑だ。
いったい全体、議論したいのかしたくないのかどっちなのか。意見を言うなといったり言えといったり、デタラメもいいところである。ようするに批判の為の批判だから、ナンクセつけられりゃあ自分の立ち位置なんかコロコロ変わってもかまわんということか。

 議論を求めりゃあ「不見識だ」と批判する。黙殺すりゃあ「異論が無いということはこっちの勝ちだ」つーわけだ。どっちに転んでも非難する。
魔女狩りのロジックそのものだね(笑)。

 おまけに相変わらず「ダメな理由」を挙げるだけで、じゃあ「どうしたらいい」には一切答えないという卑劣さ(笑)

 こういうのはね、「意見」じゃなくてただの「文句」っていうんだよ>朝日新聞
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by SIGNAL-9 | 2006-11-13 14:54 | 奇妙な論理

タブーが多いのは未開の証(笑)

「核論議」、自民内部に批判 派閥総会で相次ぐ 2006年11月02日21時51分 asahi.com
自民党の中川昭一政調会長が核保有議論の必要性を重ねて発言していることに対し、2日の各派閥の総会などで「政調会長という立場で、核保有について発言すべきではない」といった批判が相次いだ。中川秀直幹事長も記者団に「政調会長は民主主義のあり方として個人的議論まで封印するのはおかしいと言っている。そろそろその真意も周知されたのではないか」と語り、発言を控えるよう暗に求めた。

 谷垣禎一前財務相は谷垣派総会で「日本が核保有しないのは多面的、合理的な根拠がある。原子力の平和利用というエネルギー安全保障とも深く結びついており、こういった問題を意識しないで『議論する』というのは幅が狭すぎる」と批判。

 高村正彦元外相も派閥総会で「国際社会にそんな(核を保有する)実態はないとのメッセージを発することが大事だ」と語った。町村派総会でも「核不拡散条約(NPT)を脱退しないといけなくなる。そういうことも含めて日本は核を持たないのだから、議論しないようにしよう」といった声が相次いだ。
鳩山・民主幹事長、麻生外相の罷免要求 2006年11月03日20時51分 asahi.com
民主党の鳩山由紀夫幹事長は3日、都内での会合であいさつし、自民党の中川昭一政調会長や麻生外相の核保有論議について「核を何らかの形で国の安全保障に結びつけようと議論することに大変憤っている」と批判した。さらに「唯一の被爆国として、世界中から核をなくす運動のトップリーダーとして動かなければならない日本の外相がこういう発言をすることに心から怒りを持つ」と述べ、外相の罷免を要求する考えを示した。
社民党首も外相罷免を要求 2006年11月04日22時27分 asahi.com
社民党の福島党首は4日、札幌市内で記者会見し、核保有議論に関連して「核兵器廃絶の努力を無にする発言だ。諸外国にも『日本が核兵器をつくるのでは』と誤ったメッセージを送ることになる。麻生氏が自分で辞めるか、安倍首相が罷免しなければ、不信任案を出す段階だ」と述べ、麻生外相の辞任を求めた。
共産委員長、外相らの罷免要求 核発言「言語道断」 2006年11月04日19時30分 asahi.com
共産党の志位委員長は4日、東京都内で開かれた「赤旗まつり」の講演で、自民党の中川昭一政調会長や麻生外相の核保有議論について「この2人は内外から厳しく批判があっても、発言を繰り返している。どうにも止まらないなら辞めてもらうしかない」と述べ、発言を改めない限り辞任すべきだとの考えを示した。

 志位氏は「国際社会がいかにして北朝鮮に核兵器を放棄させるか努力している最中に、日本が核兵器保有について議論するなど言語道断だ」と批判。安倍首相も出席して予算委員会でこの問題を審議すべきだとの考えを示した。
 朝日新聞の引用が並んだが、「罷免」でぐぐって上から順に並べただけなので恣意的な選択ではない。朝日新聞が恣意的に記事として多く取り上げているかどうかは知らんが(笑)

 記事から読み取れる「議論すべきではない」理由は;
  1. 唯一の被爆国として、世界中から核をなくす運動のトップリーダーとして動かなければならない日本の外相はこういう発言してはダメ
  2. 核兵器廃絶の努力を無にする発言だ。諸外国にも『日本が核兵器をつくるのでは』と誤ったメッセージを送ることになる
  3. 内外から厳しく批判がある
  4. 核不拡散条約(NPT)を脱退しないといけなくなる。そういうことも含めて日本は核を持たないのだから、議論自体が必要ない
  5. 日本が核保有しないのは多面的、合理的な根拠がある。原子力の平和利用というエネルギー安全保障とも深く結びついており、こういった問題を意識しないで『議論する』というのは幅が狭すぎる


 前のみっつは根拠が薄弱である-というか、根拠として認めることすらできない。単に政権攻撃の為の理由付けに使ってるだけという印象すら受ける(中川政調会長は微妙だが、麻生外相は『核保有の是非』なんか直接的には問うていないと思うが)。

 「トップリーダーとして動かなければならない」「誤ったメッセージ」、一国民としてはそう断言する理由が聞きたいのだ。「何故誤っていると考えるのか」くらいは教えてくれてもよさそうなものだ。ご当人の宗教的信条ということでないのなら。そういう「問い」すらも「しちゃあいけない」ということなのか? 先日やってたNHKの討論でも「非核は国是である」、みたいなことをノタマッテたヒトがいたが、ホントにそうなの?

 ついでに言っとくと「唯一の被爆国」というのも、正確では無いわな。マラリンガ(オーストラリア)やキリバスやマーシャル諸島共和国のことを忘れてる。「核実験は話が別」ということなのかね。

 4番目のも、そもそも「議論」をするとなぜ一足飛びに「脱退しないといけなくなる」のか、さっぱりわからん。「議論」の結果、NPT堅持という結論には絶対ならないわけ? NPTを脱退しないと議論ができない? それに「核不拡散条約(NPT)を脱退しないといけなくなる」のが何故悪いのか、その理由はなに?

 「日本が核保有しないのは多面的、合理的な根拠がある。原子力の平和利用というエネルギー安全保障とも深く結びついて」いる…これは議論のとっかかりになるかも知れない。その「多面的・合理的な根拠」を挙げてほしいわけだ。それが「議論」というものなのではないのか?

 とまあ、俺個人はきちんと根拠・メリット・デメリットを提示した「議論」をして、その結論として「非核を貫く」-当然、対案も含めて-を出して欲しいと思ってる。

 「ダメなものはダメ」は思考を放棄した馬鹿の言うことである。

 そうでないと、もしかしてマジメに議論をしたら、やっぱり核保有の方が『正しい』って結論にしかならないと思ってるのではないか…と邪推したくなっちゃうんだが。
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by SIGNAL-9 | 2006-11-06 11:53 | 奇妙な論理

『通勤ラッシュの力で発電』実験

通勤ラッシュの力で発電-JR東日本が東京駅で実験 2006年10月07日 SANKEI SPORTS
通勤ラッシュのエネルギーで発電―。JR東日本は16日から東京駅で、乗客が改札を通る際の振動で電気を起こす「発電床」の実験を始める。「乗客が歩く力だけで自動改札機を動かすのが目標」(同社)といい、新たなクリーンエネルギー活用の試みとして注目される。

 同社によると、発電床は音楽用のスピーカーと同じ原理で、スピーカーとは逆に乗客が床を踏む振動から電力を取り出す仕組み。同駅丸の内北口の自動改札の通路6カ所に設置する。

 1人が改札を通過するごとに約70―100ミリワットを発電、改札脇に設けるパネルで実際の発電量を表示する。1日約70万人が利用する東京駅の全改札に設置したとしても発電量は100ワット電球が10分程度点灯する約70キロワットにとどまり、発電効率の向上が大きな課題だ。

 実験は12月中旬までの2カ月間。将来は乗客が多いターミナル駅で自動改札機や案内表示、照明などの電力を賄えるよう研究を進める。

 JR東日本は「通勤ラッシュという未利用のエネルギーを活用し、環境にやさしい駅づくりを目指したい」としている。
 この話、8月頃に報じられたことの実地テストだと思う(「発電床」でぐぐるとよい)。

 上の記事、なんだか計算がヘンなような気もするが、まあ、記事どおり70万人がかりで1日あたり電球10分つーことで考えてみると。

馬鹿な話だわなぁ(笑)

 設備製造や配置・維持管理に使うコスト(エネルギー)を回収するのにどれくらいかかるちゅーねん。

 そういや小松左京の『ゴエモンのニッポン日記』に、満員電車使って圧電効果(ピエゾ効果)で発電ってギャグがあったが、これもギャグにしか見えない
 いっそ磁石服を来て通勤してもらい、駅にはコイルを張り巡らして誘導電流で発電みたいなのはどうか。 さもなきゃ通路を巨大なルームランナーにするとか(笑)

 JR東日本がどういう根拠や目算があってこういうことを考えたのか、上の記事からじゃあわからんので(共同研究してる慶応大学のページにもパンフレットしか置いてない)、何か秘策があるのかもしれんが。研究の為の研究だったらいいけど、こういう研究の為のコストが運賃に含まれていると思うと、なぁ。

 土地だけは持ってるんだから、駅舎や線路に太陽電池張り巡らしますとか(これもコスト回収という意味では難しいだろうが、もう現実にやってるわけだし)、もう少し現実味のあることに注力したらどうか。
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by SIGNAL-9 | 2006-10-13 13:36 | 奇妙な論理

民主党の細野豪志衆院議員の不倫騒動を巡っては、

民主党の細野豪志衆院議員の不倫騒動を巡っては、報道慰安婦という新語まで飛び出しているようだが(笑)

 永田メールのときもそうだったが、こういう騒動って、周辺の論評を見ていると、一種あぶり出しになっていておもしろい。

大きな声では言えないが:「通信の秘密」は今 -牧太郎 毎日新聞専門編集委員 2006年10月3日 12時52分

天下の毎日新聞の編集委員殿の論評である。
「街灯のともる路地で××議員の手が……熱いキスは5秒ほど続いた」というコメント付きで、女性キャスターとの熱愛シーンを写真誌にスクープされたイケメン議員。慌てて「不徳のいたすところ」と党役職の進退伺を出したそうだが、それほど大げさな話?

 奥方が亭主の不倫に腹を立てるのは至極当然。不倫は決して褒められたことではないが、赤の他人にとやかく言われる筋合いはない。これは極めてプライバシーの問題。取材する相手に「あなた方もジャーナリストなら、政治家の巨悪を追及したらいかが」と笑って皮肉でも言えば良いのに。
 「赤の他人にとやかく言われる筋合いはない」「プライバシーの問題」ねぇ。

 そういやぁ、宇野宗佑の女性スキャンダルをスッパ抜いたのは御社の「サンデー毎日」だった記憶しておりますが。
 あれぇ?、Wikipediaによると、
牧 太郎(まき たろう、男性、1944年(昭和19年)10月10日~)は、日本の新聞記者、ジャーナリストである。東京都日本橋区(現:中央区)出身。

毎日新聞に入社、記者として活動。社会部、政治部を経てサンデー毎日編集長に就任後は、宇野宗佑首相の女性スキャンダルや、オウム真理教の問題を取り上げるなど活躍するも、脳卒中を患い、半身麻痺、失語症を経験。療養後、編集委員として復帰。以降、毎日新聞をはじめ、雑誌など連載を多数抱える。
「赤の他人」の「プライバシーの問題」を「スクープ」してんのは牧氏自身じゃないですか(笑)
 こりゃあ、あれですか、民主党の不倫はいい不倫つーことですかね?
それより気になったのは、写真誌はどうして2人の関係を知ったのか?である。恨みを持つ人物が写真誌にタレこんだ、と想像できるが、昨今、美しい国にふさわしくない“密告”があちこちではやっている。
 想像を元に「密告がはやっている」なんて"事実"を述べちゃうのは相当に無茶ですねぇ。せめて「あちこち」の一例くらい挙げてくれないと。もしかして「密告が流行ってる」というのも牧氏の想像、つーか、妄想なんでは?と疑いたくなっちゃいますが。
それにしても「密会の時間、場所は2人しか知らないはず?」とつぶやくと、コンピューターに詳しい若者が「何しろ、他人のメールの中身まで分かる時代ですから」とただならぬことを言い出した。
いつの間にか写真誌がメールの盗聴してたみたいに妄想が膨らんでます(笑)
 特定のソフトを使えば、少なくともサーバーの管理人は、誰が、いつ、どのネットにアクセスしたか、誰にメールを送ったか、そのメールのやり取りさえ知ることが出来る。犯罪を防止する目的のソフトだが、もし、悪意に満ちた人物が管理人に紛れ込んでいたら……ゾッとする。
ドコの「若者」に聞いたんだか。「特定のソフト=犯罪を防止する目的のソフト」つーのがナンなのか、是非答えてもらいたいものだ。ログファイルのことだったりはしないよな?

もし、悪意に満ちた人物が郵便局に紛れ込んでいたら……ゾッとする。
もし、悪意に満ちた人物が電話局に紛れ込んでいたら……ゾッとする。
もし、悪意に満ちた人物がマスコミに紛れ込んでいたら……ゾッとする。

 なんでも同じじゃん。
 憶測と聞きかじりの知識を元に恐怖を煽り立てようという意図がミエミエ。
ネット技術はここまで来てしまった。もし、国家権力が国民のメールを簡単に入手できるとなると、憲法第21条2「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」は危うくなる。
 もしかして牧氏は、「サーバの管理者」=国家権力の手先と思ってるのだろうか。「悪意に満ちた人物」→「国家権力」という、牧氏の脳内結線が透けてみえて興味深い。
 テロを未然に防がなければならないし、さりとて、プライバシーは守らなければならないし……。ともかく安倍さん得意のイノベーションが「自由」を変貌(へんぼう)させるのだ
 唐突に安倍の名前を引き合いに出しているのは明らかに特定の意図基づく誘導。前のほうの「美しい国にふさわしくない」というのも同じ。
「悪いことはみんな自民党のせい」なんですよ皆さん、てか。

 …もうちょっと論理的に批判しようと思ったのだが、こりゃあ無理だ。だって、批判すべき元の文章がデタラメなんだもの(笑)。

 まあ、思いつきで書いたであろうエッセイに目くじら立てても仕方ないが、全国紙の編集委員殿なんだからもう少し脈絡というものを考えて書いてほしいものだな、一読者としては。
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by SIGNAL-9 | 2006-10-03 15:33 | 奇妙な論理

「ぶら下がり取材」の無編集放送を!

首相への直接取材「1日1回夕方に」=世耕補佐官提案、内閣記者会は抗議 (時事通信) - 9月28日1時0分更新
世耕弘成首相補佐官は27日午後、新聞、通信、テレビ局各社で構成する内閣記者会に対し、安倍晋三首相が立ちながら記者の質問に答える「ぶら下がり取材」について

(1)原則、1日1回夕方に行う

(2)首相官邸ホームページ掲載のため政府のテレビカメラも撮影する

-と提案した。
しかし記者会側は、小泉前政権時代に合意した1日2回の取材機会を減らすのは認められないと反論した。
政府のテレビ撮影も「取材の場であり広報ではない」と拒否。継続協議することになった。
 「政府のテレビカメラ」撮影、いいじゃないの。

 東京U局の東京MXテレビでは、石原東京都知事の定例会見を放送しているが、俺はけっこう頻繁にみる。別に都政に関心があるとかではなく、けっこう面白いのだ、これが

 基本的に無編集なので、一般的なニュース番組だと編集されてしまう全体の流れがすべて把握できるし、「何馬鹿な質問してんだ>記者」とか「相変わらず何いってんのかわかんねぇよ>都知事」みたいに突っ込みながら見られて、イイ感じのライブ感覚がある。キャラ立ちしている石原都知事ならではだろうが。

 先日も、東京MXの女性記者が質問をしたら、石原都知事から「東京MXさん、いつも質問してえらいねぇ」…なんてやりとりがあって、言われた方の記者のリアクションは画面の外だったんでちょっと残念だった(照れ笑いのような、ちょっと困ったような笑い声が小さく聞こえたような気がしたのだが、記者ご本人のものかどうかよくわからなかった)。
 以前フランス語云々で問題になったときも、都知事側から仏文科卒という記者に逆ツッコミがあったりして、「あ~、記者の顔見てぇ」と思ったものだ。

 さよう、残念な事に東京MXの中継では、無編集はいいのだが、大半が都知事のウェストショット。たまにあっても会見室の右前からの俯瞰なんで、都知事と相対している記者一人ひとりの顔やリアクションがわからないのがすごく残念。

 で、思うのだが。

 政府のカメラを設置するとして、是非、やってもらいたい事がある。
  1. ライブで無編集のストリーミング放送をして欲しい。当然後で無編集でアーカイブも。マスコミの「取材の場であり広報ではない」との反発も、おそらく政府側にヘンに利用されることを危惧してのことと思うが、無編集だったら問題なかろう。国会TV衆議院TVの例があるんだからできるはずだ。


  2. 固定カメラでいいから、首相のウェストショットだけでなく、首相の後ろ(首相の背中ごしに記者が写る様に)にもカメラを設置し、それを切り替えて見られるようにして欲しい。当然だが、ちゃんと質問側の音声も拾うようにして。どこのマスコミがどんな質問をしているのか、記者側のリアクションなど、我々国民にはそれを含めて知る権利がある。つーか、是非見てみたい。


  3. 可能だったら、先だって開かれた「ブロガー×オーマイニュース『市民メディアの可能性』」シンポジウムのストリーム放送みたいに、Webチャットと併用できてるとより面白い。要するに甲殻機動隊SAC第9話、「ネットの闇に棲む男 CHAT! CHAT! CHAT!」 のノリである。もっともこりゃあ、ストリーム放送の外に皮を被せりゃいいので、わざわざお国にやってもらうまでもなく、絶対誰かがやるだろうが(笑)

 と、まあ、些か不謹慎な要望のような気がしなくもなくもないが(どっちだ)、この程度のことをやってくれりゃあ政治がより身近になるんではないだろうか。何よりもマスコミ諸氏の金科玉条であるところの「国民の知る権利」の拡充に寄与できるものと確信する。

ひとつよろしくご検討のほどを。

--------- 2006/05/28 17:30 追記
 面白いことに、朝日新聞読売新聞も、「1日1回」に関しては記事を書いているが、カメラ設置に関しては一切触れていない。

 よっぽど都合の悪いことでもあるのかと邪推したくなるよな(笑)
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by SIGNAL-9 | 2006-09-28 16:02 | 奇妙な論理

「総括」ってどうやるの?

 お盆休み中にテレビでよく聞かれた単語「総括」

 文脈としては「靖国」だの「先の戦争」だの「戦争責任」だのを、「日本として」「我々日本国民の手で」…つー形で使われていた。

 面白いことに、靖国賛成派も反対派も、この「総括」つーやつは必要だ、という点で認識が一致している様子があちこちのTV討論で見て取れた。

 皮肉ではなくマジに知りたいのだが、その「総括」って具体的にどうやるの????

 最近、読売新聞ががんばって「総括」記事を掲載していたが、「この読売史観で日本の『総括』は終わりね」というつもりはなかろうし、そんなことをすれば「ふざけるな」みたいな反発が諸外国左右両派含めてあるだろう。

 それとも、「あなたはいわゆるA級戦犯が戦争犯罪人だと思いますか?思いませんか? Yes/No」みたいな国民投票でもやろうというのか? あるいは、その一点を争点にして選挙するのか? 多数決で勝ったら、選ばれた時の政府が「総括」してくれるの? こりゃ別に今までのやり方と変わらんような気もするけど。 エライ学者さんたちが鳩首協議して「総括」してくれる? これもやはり人選含めて大問題になりそうな気が。

 あるいは、日本国民の手でもう一回東京裁判をやろう、というのが趣旨なのか? その場合、誰がどうやって「裁く」のか、という「裁判の方法」を決めるだけでも膨大な時間とコストが必要な気がするのだが。 というか決められるのか、そんなこと。
 「もういっぺん戦勝国の皆さんに裁いていただこう」という方がまだしも分かりやすいが、現実的に出来るのか、そんなこと(笑)。

 「具体的な方法」を提示しないで「必要」「必要」というのは、マスコミの決まり文句「よく考えてみる必要がありそうです」「問い直す必要がありそうです」と同じ思考停止フレーズなのではないか?
 つーか、「総括」という言葉が単に「議論」を言い換えただけのものなら、それは「総括」ではないわな。今までと変わらないから。

 毎度毎度のことだが、「主体は誰なんだ」「具体的な方法はどうするつもりなのか」という疑問がこの手の「マスコミ用語」には付き纏う。
 同じデンで、非常にアヤシゲなフレーズに「コンセンサス」だの「諸外国の理解」だのという単語があるが、具体的に何をどーしてどうなれば、それが得られたと見なすのかというトコロが、俺のもずく頭ではなんとも分からないのだ。

 愚民を善導しているらしいマスコミ諸氏は、5W2Hで解説してくれないものだろうか? 個人的には、この民主主義の日本で、「特定の歴史認識」に「総括」するつーのは現実的に不可能なんじゃないか-むしろ、「総括しなきゃ」という主張の方が恐ろしいような気がするのだが。
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by SIGNAL-9 | 2006-08-21 13:33 | 奇妙な論理

監禁事件は「ゲームやDVD」のせい?

女性連続監禁事件、多発の“病巣” 強い劣等感、妄想生む Sankei Web 【2006/08/07 大阪夕刊から】 (08/07 22:30)
無抵抗の女性の手足をベルトで縛り、ライターで顔を焦がす-。残忍で執拗(しつよう)な犯行態様が次々と明らかになりつつある大阪府茨木市の連続女性監禁事件。府警に逮捕された無職、村本卓也容疑者(42)の暴力で女性のすべてを支配する手口は過去の同種事件とも酷似し、加害者が否認するといった共通点も多い。なぜ「監禁」という犯罪に手を染める男が後を絶たないのか。そして、被害者はどうして逃げ出すことができなかったのか。犯罪心理に詳しい専門家らの分析をもとに、その“病巣”を探った。
 犯人像の分析などを行っている特集記事なのだが、結論部がちょっとひっかかる。
≪ツール排除を≫

 女性を長期間にわたって監禁する事件は新潟事件以降、多くみられるようになった。その背景として、「監禁」、さらにはよりエスカレートした「飼育」をテーマにしたアダルトビデオやゲームなどの存在をあげる専門家が多い。上智大の福島章名誉教授(犯罪心理学)は監禁を「性的嗜好(しこう)の一種」ととらえたうえで、「ビデオやゲームなどがあふれる環境で、男は監禁を異常ではないと思うようになったのでは」と分析する。

 警視庁に逮捕された札幌市の男は自分のことを「王子さま」と呼ばせ、アダルトゲームの筋書きをなぞるように女性を服従させていた。村本容疑者の犯行に影響を与えたものは明らかになっていないが、被害者の女性には「ご主人さま、だんなさま」と呼ばせていたという。

 「ネット依存症」に詳しい精神科医の墨岡孝・成城墨岡クリニック(東京)院長は「社会とのかかわりがなく、妄想の中で欲望だけが肥大化し、歯止めが利かなくなる。それをゲームやDVDが手助けしている」と指摘。そのうえで「ネットの世界で規制するのは難しいが、男性の欲望を肥大化させるツールを排除していくべきだ」と警鐘を鳴らしている。


女性を長期間にわたって監禁する事件は新潟事件以降、多くみられるようになった
新潟少女監禁事件は2000年に発覚したが、監禁そのものは1990年に発生した。ここでいう「以降」というのは1990年のことなのか2000年のことなのかどちらなのだろう?
 近年の監禁事件というと、北九州監禁殺人事件北海道・東京連続少女監禁事件(『監禁王子』)が有名なので、この記事自体これを念頭に置いていると思われるが、前者は1996年~2002年、後者は2001年から2005年にかけてのことである。今回の大阪連続監禁も97年頃から事件は始まっていたわけだ。それぞれの事件に「以降」だの「以前」だの「前後関係」があるような記述にまず疑問が浮かぶ。

その背景として、「監禁」、さらにはよりエスカレートした「飼育」をテーマにしたアダルトビデオやゲームなどの存在をあげる専門家が多い。

 この推測がある程度の妥当性を持つためには、事件が発生した90年や96、7年時点で、『監禁』モノの「ビデオやゲームなどがあふれる環境」だった、という証明がなければならない。

 俺はそういう方面には疎いのだが、この時点で急にそういうものが増えたという印象はないのであるが。
 少なくとも具体例を挙証して欲しいものなのだが、統計的な根拠はあるのだろうか? それとも、個々の犯人が「俺はこのビデオを見てマネしようと思った」とか、そういう自供をしているのだろうか?

 最後の「ネット依存症」に詳しい精神科医の墨岡」氏の意見にも違和感を覚える。

 90年~95年時点にはそもそもDVDなんてない、というのは言いがかりとしても、この当時エロゲーやってたヤツというのはそんなに多かったか? エロビデオで監禁モノなんてのがこの当時に急に増えた? 「ネット依存」なんてぇのは当時も確かにいたが、かなり特殊な連中で、いわゆる「ネット」の普及はWindows95以降なんじゃないの?

 つまるところ、「原因」「結果」を取り違えている可能性はないのか?ということなのである。

 「因果関係」を白紙に戻して考えてみると、<仮に>『監禁』モノのAVやゲームの増加と、監禁事件の間に相関関係が認められたとしても、実際の事件に触発されてフィクションが作られた可能性(「アダルトゲームの筋書きをなぞ」ったのではなく、アダルトゲームのほうで筋書きをなぞった)や、その他の第3の因子が介在しての「みせかけの」相関関係である可能性…といったあたりを排除してもらわないと、俄かには首肯できない。

 結局、「キライなものを二つ選んで、それに因果関係があると主張する」という、陰謀論の典型的な主張と大差なく見えてしまうのだが。
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by SIGNAL-9 | 2006-08-08 16:36 | 奇妙な論理