夏は時計1時間進めて 自民、サマータイム法案提出へ 2008年05月13日06時09分 朝日新聞自民党は、夏季に時計の針を1時間進めるサマータイム(夏時間)制度を導入するため、議員立法で国会に法案提出する方針を決めた。地球温暖化が主要テーマになる北海道洞爺湖サミットと、福田首相が提唱する「低炭素社会」づくりを後押しする。
時計の針を進めることで、夏季の日中時間を有効活用してエネルギー消費量を抑え、同時に国民の環境問題に対する意識を高める狙いがある。
最近の例で参考になるのは、アメリカでサマータイム(DST)の期間をずらした時の対応だろう。
例えばWindows。
「2007 年の夏時間変更のための準備」を読んでみると、影響範囲はかなり大きいことがわかる。
ようするに
プチY2Kと思っておけば間違いは無かろう。
Windowsでは
関係するPC/サーバにOSレベルのパッチが必要となる。
MS的には例によって「Windows Updateで対応します。以上」ということになるだろうが、大量のパソコンを抱えている会社では、事前のテスト-実行-事後の確認など、
かなりな作業になるかもしれない。
もちろん、ことはOSだけの問題ではない。
例えばスケジュールソフトみたいな日付・時間がキモになるようなアプリでは個別な対応が必要なケースもあるだろう(一例として、
「Microsoft Office Outlook 用タイム ゾーン データ更新ツールを使用して 2007 年の夏時間の変更に対処する方法」という資料を参照してみて欲しい)。
アプリの改修が必要なケースとして、MSはこんな資料を掲示している。
DST を含む日付と時刻の処理方法。
お作法どおりのアプリならまだマシだが、
"日本時間はオフセット9時間"なんてハードコードしちゃってるソフトはY2Kの時の類推からすると、思った以上に存在するような気もする(タイムゾーン調整が必要なメール関係とか、課金統計の為に時間差の計算をやってるものとか…)。
unix系でも似たようなものだろう。
今手元にある某社unix機を見てみたら、サマータイム用のタイムゾーンテーブルにそもそも日本のエントリがなかった-当たり前だが。つーことは、メーカ含めて今まで「日本のサマータイム」をテストしたことのあるヤツもいないわけだな(笑)。
DBMSやミドルウェアのレイヤでも、少なくとも2007年のアメリカの例をみると、けっこうDST用のパッチというのが出ている(
Oracleとか
JREとか)。
テスト-検証まで含めた作業工数という面からはあまり甘く見ない方がよかろう。
プチY2Kという視点で考えてみると、
日付・時刻がキモになるシステム間連動のケースではかなり気を使う必要があるだろう。
Y2Kの時みたいにオーバフローでハチャメチャになるということはなかろうが、日付時刻が合っているという前提で連動しているようなモノ-会社間でのデータのやり取り、ジョブスケジューラー、異常感知警報、ある種のジャーナル管理、証跡用のログ取得 etcetc-では注意が必要だろう(この間の"うるう秒"の時に時刻異常のアラートが上がったって人はけっこういるんじゃないかろうか。もちろんアレはUTC自体が動くケースなので質的には異なるが、表現形としてローカルタイムに大きな意味があるようなものは似たケースに遭遇するかも)。
「そんじゃあ、コンピュータ時間はずらさないで、始業-就業時間だけ運用でズラせばいいじゃん」…つっても、世の中そう簡単にはいかないのだ。
システム間連携している場合
「お客は新時間、ウチは旧時間」なんて勝手は通用しないこともあるだろうし、
「出勤は1時間前倒しだけど、オンラインサービスは前の時間でないと動きませんから」なんて話が通らないこともあるだろう。
おまけにだ。
前掲記事によると、
サマータイム制度をめぐっては、05年に超党派の「サマータイム制度推進議員連盟」(会長=当時=平沼赳夫元経産相)が法案を作成。国会提出は見送られたが、毎年3月の最終日曜日に1時間早めて、10月の最終日曜日に元へ戻すという内容だった。今回の法案もこれを参考にする。
日本では一般的な
年度末の、不定の日にやらかそうというわけだ。
例えば今年のカレンダーだと3月30日が日曜日で31日が月曜日だった。
年度末最終日で時間がズレるわけだ。決算処理なんかに影響が出る会社はないのかしらん。
ジョブスケジュールがキッチキチという場合、かなりアタマを悩ませる管理者も出るんじゃなかろうか。
さらに今時気にすべきは、この手のコンピュータばかりではない。
携帯電話や各種家電機器など、時刻をキモに動いてる機械はかなりある。
例えば
NHK教育の時報とか電波局を使って間歇的に時刻調整しているような機械は大丈夫なのだろうか?
「1:30に録画予約しといたアニメが撮れてねぇぇぇぇ」
「目覚ましが鳴らなかったんで遅刻しちゃたぁ」
なんて悲鳴が全国的に起きないことを祈るが(笑)
…とまあツラツラ想像してみると、こりゃあけっこうなコストがかかる上に危険を内在していると結論せざるを得ない。
もしもなにかあったら、
サマータイム制度推進議員連盟の議員諸君はそれなりの責任を取ってくれるという気構えはあるのだろうな?
立法府を担う方々に置かれては、
投資対効果の観点から、よ~く考えてみてほしいものだ。