違反率が低いから危険じゃない?

[解説]中国食品への不信 読売新聞(編集委員 藤野彰)2007年12月25日
確かに輸入中国食品の違反件数はかなり多い。昨年の厚生労働省輸入食品監視統計を見ると、国・地域別の違反件数では中国が530件(34・6%)と最多で、2位以下の米国(239件)やベトナム(147件)を大幅に上回っている。

 しかし、中国の違反件数が目立つのは、輸入食品の届け出件数自体が57万8524件(31・1%)と、他の国・地域より圧倒的に多いことの反映でもある。届け出輸入食品のうち問題食品がどのくらいあるかを示す違反率そのものは、中国の場合、0・09%と全体のほぼ平均水準にある。
 問題の毒入り餃子に関しては事実関係がまだ明らかでないので論評はしないが、この解説記事にだけちょっと突っ込んでおこう。

 この「解説」の論理はこう続く。
  1. 確かに輸入中国食品の違反件数はかなり多い。
  2. しかし、中国の違反件数が目立つのは、輸入食品の届け出件数自体が57万8524件(31・1%)と、他の国・地域より圧倒的に多いことの反映でもある。
  3. アジア、北米、南米、アフリカの各地区平均違反率と比べても、中国はそれらを下回っている。つまり、違反率を見る限り、中国産だけをことさら目の敵にする理由はない。
  4. 違反食品の約3分の1が中国産という現実は軽視できず、一層の監視強化が必要だが、危険度を誇大に解釈することは禁物といえる。

 あのですね。

 問題になってるのは「違反率」じゃなくて「安全性」じゃないんですか?
 その、「違反率」と「危険度」は相関してるんですか?
 この「解説」の論理だと、食品の中に無毒なゴミが混入してようが、健康被害を出すような薬物が混入してようが、違反件数としては同じ1件だから危険度も同じっておっしゃりたいわけですかね?

 「違反率が低いから安全」というのは推論としてはデタラメだ。
 本当にそういう相関があるにしても、この「解説」では裏づけとなる根拠が挙げられていないので信じる理由は無い。

 現に解説氏も、
日々の食生活に欠かせない必需品でさえも1割近くは欠陥食品ということであり、食品全体ではそれ以上の比率で不良品が出回っていることになる。現に、中国では欠陥食品による中毒、死亡事件などが後を絶たない。
といってるではないか。
日本側は、食品管理の徹底を中国に引き続き求めると同時に、先の第1回日中ハイレベル経済対話で合意した「食品安全での協力」を具体的に推進していく必要がある
という結論には別に反対しないが、そこに至る論理にまったく説得力が無い。

 なので、この解説氏、なにやら中国製食品の擁護に必死なだけなようにも見えてしまうのだが。

 モノを買う連中は、違反率の高低なんか気にしちゃいない。
 その中にたった一発でも地雷が含まれているのかどうかが気になるだけなんである。
 こんな話に「相対的には安全」だの「比較的には安全」だの、比較論を持ち出しても説得力皆無である。

 「あーあ。原材料のトコに『遺伝子組み換えでない』って書いてくれてるんだから『中国製で無い』って書いといてくれないかしら…」

 これが家族の健康を守る母親の一般的な心情なんじゃなかろうか。
[PR]
by SIGNAL-9 | 2008-01-31 13:39 | 奇妙な論理 | Comments(2)
Commented by おた助 at 2008-02-04 19:09 x
さすがに今となっては書かなきゃよかったって思ってるんじゃないですかね、読売新聞の人。

プロフィール見ると中国が大好きなんでしょうなぁ。
http://www.21ccs.jp/profile/profile_fuji.html

Commented by SIGNAL-9 at 2008-02-05 09:07
マスコミのここ数日の「中国食品なしでは日本は成り立たない」キャンペーンも、なにやら胡乱なものを感じるんですが。

ま、自給率を上げる必要がある的な結論のために危機感を醸成して…つー趣旨なら理解できなくもないんですが、数値的根拠が明らかにヘンだったりロジックがおかしかったりするのはどうかと思います。
<< 東京の「大雪」 上を向いて歩こう >>