ワンポイントなおしゃれ2

 建物の細部を愛でるという話を書いた。
 前回は主に「雷文」風の幾何学装飾を取り上げたが、最近の建物であまり見かけなくなったものとして、「彫刻」のタグイもある。

 これは日本橋、日銀横の貨幣博物館。
 さすがに明治の御世を髣髴とさせる、これ単独で作品として成立しそうな精緻な飾りである。
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 明治~昭和初期の建物の細部には、こういうおしゃれポイント(笑)が発見できることがある。
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 この手の込んだ装飾が施された建物、なんだかお分かりになるだろうか。
 電車の駅なのである。今時の駅舎だと、こういう感じの細部の凝り様は珍しいのではないだろうか。
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 こちらは超有名建築だが、日本橋の丸石ビルである。
 品良く豪華にして重厚。
 雨後の筍のようにぽこぽこ建てられる今時のオフィスビルに、このおしゃれさを求めるのは無理だろう。生きている建物なので写真は控えるが、エントランスも一見の価値がある。

 公的機関や大企業の建物は、金に飽かせてということもあるかもしれないが、中々どうして、単なる商家や民家でもこういうおしゃれ装飾を施しているものは見つかる。
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 この十字架風の模様、何を模したものなのか俺のごとき浅学菲才にはわからないが、何かいわく由縁がありそうではないか。昭和3~4年頃の建築らしい。関東大震災復興の頃だろうか。
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 こちらはもっと新しそうだが、コンビニの入ってるちょっと古めのビルの上に目を転じると、鷲の彫刻が眼下を睥睨している。
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 潰れてしまった商店なのだろうが、この高級額縁のような概観、いわゆる看板建築風建物としてもオシャレ度が高いではないか。

 結局、このタグイの装飾というのは、施工主や施工者のセンスが反映されるものなのだろう。

 俺自身はさして懐古趣味はないと思うのだが、こういう細部に目を向けてみると、最近の建物というのはかえって「退化」してしまった部分も多いのではないか、と思う。近年の建築物というのは建築技術的には遥かに進んでいるのかもしれないが、「趣味のよさ」という点ではどうなのだろうか?

 確かにこのような装飾というのは「役に立たない」ものであるし、維持管理のコストまで考えれば「邪魔」なもの、という見方も出来るだろう。だが、「でかいな」「高いな」以上の感想を持てない建物というのは、どうにも寂しいものがある。

 普通の民家の壁に、こういうレリーフが刻まれているのをみると、ヒトゴトながら嬉しくなってしまうのである。
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by SIGNAL-9 | 2007-09-03 15:55 | 町歩き | Comments(0)
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