最近の家屋やビルは、「のっぺり」している、と思う。
勿論、俺は建築関係はド素人なので単なる印象に過ぎないのだが、窓なども等間隔に並んでいて、"不均一さ"が無いような気がするのだ。 この間も隅田川沿岸の、再開発で巨大マンションがボコボコ建てられている地区を通ったのだが、均一に並んだ窓窓窓、言っては悪いが「家」というよりは「巣」という感じがして、妙に寒々しい気分になった。 無駄がないというのは近代合理主義的・経済効率の観点からは<良いこと>なのであろうが、細部的を見る楽しみや不均一さを愛でる喜びというのが少ない-一言でいゃあ「おもしろみに欠ける」んである。 昭和の建物には、こういう細部のおもしろさが残っているような気がする。 例えばこれ。 超有名な建物だが、日本堤にある「廿世紀浴場」である。「東京都内の銭湯・温泉」によれば昭和四年の建築だそうだ。 建物自体アールデコ(究極超人の妹ではなく、建築様式)調で、規模の小さいクライスラー・ビルと呼ばれている…って俺が勝手に呼んでいるだけだが。 建物全体の印象が強いので見過ごしがちだが、細部も実に凝っているのである。 これは塀の拡大図だが、ご覧の通り、ぐるりと、渦巻き模様で装飾してある。 ラーメン屋のどんぶりでよく見る「雷文」(らいもん)の変形のような模様。 この種の模様は、けっこうあちこちの建物に刻まれているのだ。 これは東浅草の民家だが、こちらはモロに雷文。 根津で見つけたドア枠の装飾。 こちらは、単純な幾何学模様なので見逃してしまいそうだが、よくみると、わざわざ手間をかけて戸袋に模様を刻み込んでいる。 建築道楽とまではいわずとも、家主さんや大工さんの遊び心が伺え、粋だなぁと思ってしまうんである。
by SIGNAL-9
| 2007-07-19 16:16
| 町歩き
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