NHK「日本の、これから『ネット社会』」

 NHK「日本の、これから『ネット社会』」12月9日放映。

 「議論」された内容はさておくとしても、番組中、坂村"TRON"健氏を始めとして指摘があった、NHKの設問のズサンさ・進行の稚拙さに関しては、傍で見ていてもイライラした。

 「インターネットの政府規制、是か非か」みたいな粗雑な二分法で、何がわかるというのか。
 番組内での再三の指摘に、NHK側は「議論の取っ掛かりとして…」みたいなエクスキューズを繰り返していたが、粗雑な取っ掛かりからは粗雑な「議論」しか生まれないし、案の定、番組全体の印象としてはカオスそのものに終始した感が強い。

 そもそも「二分法」つーのは、トンデモ理論やら政治的アジテーションで頻繁に見られるように、筋道たった話し合いには向かない取っ掛かりである。
 定義すらあいまいな事柄に関して、二択の選択を求めるなんざ、「NHK,なにか世論誘導を狙ってるのか?」という疑念すら持ってしまった-番組を終わりまで見て、NHKはそこまで利口ではなかった、という結論に達したが(笑)

 まあ、所詮「娯楽番組」であるので、議論の深まりより「わかりやすさ」優先だ、と言われりゃあそれまでだが、そうであっても、「わかりやすい」ことが良いことだ、なんて前提からして疑ってかかてみたほうがいいのではなかろうか。そもそも技術に係わる問題を、技術用語が出たらば「ちょっと専門的になりました」で腰を折る、それって本当に「わかりやすい」のか?

 電脳屋ケンちゃんと、運用に携わってる人間と、「使うだけ」の一般ピープルを同列にして意見を語らせて…って、それがまともな「議論」なのか?
 議論の中で出ていた「免許性」の例えを使わせてもらうと、助手席にしか座ったことがない/運転はするが、自動車の内部機構には無知/自動車には詳しいけど、道路交通法は素人…みたいな雑多なヒトビトが集まって、「是か非か」たってねぇ。問題の定義・理解自体が同じじゃないんだから。
 せめて話の土俵ぐらいはある程度レベルあわせしないと。

 群盲象を撫でるとか衆愚とかいう単語が頭を過ぎったが(笑)、「朝生」や「ジェネジャン」みたいにバラエティ番組を作りたかったのなら、ハナから対立する立場の人間を用意して話させた方がナンボか「わかりやす」かったのではないか。
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by SIGNAL-9 | 2006-12-11 17:05 | 奇妙な論理
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