「給食制度」はダメだから…?

【コラム・断】給食費という高い税金 2006/12/02 10:50 産経新聞
給食費の滞納や支払い拒否事例が問題となっている。確かに悪質なケースもあろう。だがマスコミ世論に追従するなら小欄の存在意義はない。先日、住民票の交付料をぼったくりと評した。たかが300円の話と思われた読者もいるだろうが、再び異議を申し立てたい。
 評論家の潮匡人氏のコラムである。

 馬鹿正直に指摘しておくと、「決まり自体の問題」と「決まりを守らないことの問題」をすり替えて論じている。

 彼の論を要約すると;
  1. 給食費は高い
  2. なぜ画一的な食事を強制されるのか
  3. 諸外国では非スタンダード
 だから「全員弁当にしろ」「無料給食にしろ」「帰宅させ昼食を取らせろ」…と要約できるが、そもそもこれは「給食費の滞納や支払い拒否事例」問題とはまったくの問題である。

 今問題とされているのは、「決め事を守るべき」という立場の人間からみて正当な理由もないのに、ただ単に払いたくないから払わない、払えるのに払わない、しかも給食自体は食わせろ、という奴がいるという点である。
 その決め事が客観的に不合理かどうかは、別の問題である。

 例えば、仮に親側が「決め事」に対して、「画一的な食事が不都合」「諸外国ではこんなことやらない」という信条的不満を持っているのなら、給食費は払った上で-いちおう「決め事」を守った上で-、わが子には弁当を持参させる、という選択だってあるわけだ。

 「スピード違反が出るのは、速度制限という法律があるからだ。法律を廃止すればスピード違反はなくなる」

ま、どうみても無茶な意見だが、論理的には正しい。たしかにひとつの意見ではある。だが、「だから現行の速度制限を無視していい」、ということには普通ならない-社会を維持する前提でなら。
 「決め事が間違ってるんだから守らなくていい」というのは、無政府主義(アナーキズム)ですらない。単なる「無秩序」である。

 さて、この潮氏の「論」自体だが。

 「給食費が高い」というのは、「でも、それで助かってる御家庭もあるようですが何か?」「ウチは共働きだから弁当作る時間なんか取れないわ」みたいな反論があるだろうし、「画一的な食事の強制」の方も「んじゃあ、ご家庭の経済力の差がダイレクトに可視化されちゃっていいのね? それって差別やいじめを助長するかもしれないけど」「給食制度には、単なるエサの補給ではなく『協力して配膳して食べる』みたいな教育的意味もあるんでは?」みたいな反論は当然あるだろう。

 つーか、今の市井の論議を見ていても既に論点としてあちこちで挙がっている。

 まあ、議論の為の撒き餌-今時風に言えば「釣り」-を意図した故のことなのかもしれないが、全国紙に載った評論家つー肩書のヒトの文章としちゃあ、少々程度が寂しくないかねぇ?
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by SIGNAL-9 | 2006-12-04 17:00 | 奇妙な論理 | Comments(0)
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