女性連続監禁事件、多発の“病巣” 強い劣等感、妄想生む Sankei Web 【2006/08/07 大阪夕刊から】 (08/07 22:30)
無抵抗の女性の手足をベルトで縛り、ライターで顔を焦がす-。残忍で執拗(しつよう)な犯行態様が次々と明らかになりつつある大阪府茨木市の連続女性監禁事件。府警に逮捕された無職、村本卓也容疑者(42)の暴力で女性のすべてを支配する手口は過去の同種事件とも酷似し、加害者が否認するといった共通点も多い。なぜ「監禁」という犯罪に手を染める男が後を絶たないのか。そして、被害者はどうして逃げ出すことができなかったのか。犯罪心理に詳しい専門家らの分析をもとに、その“病巣”を探った。犯人像の分析などを行っている特集記事なのだが、結論部がちょっとひっかかる。 ≪ツール排除を≫ 女性を長期間にわたって監禁する事件は新潟事件以降、多くみられるようになった新潟少女監禁事件は2000年に発覚したが、監禁そのものは1990年に発生した。ここでいう「以降」というのは1990年のことなのか2000年のことなのかどちらなのだろう? 近年の監禁事件というと、北九州監禁殺人事件や北海道・東京連続少女監禁事件(『監禁王子』)が有名なので、この記事自体これを念頭に置いていると思われるが、前者は1996年~2002年、後者は2001年から2005年にかけてのことである。今回の大阪連続監禁も97年頃から事件は始まっていたわけだ。それぞれの事件に「以降」だの「以前」だの「前後関係」があるような記述にまず疑問が浮かぶ。 その背景として、「監禁」、さらにはよりエスカレートした「飼育」をテーマにしたアダルトビデオやゲームなどの存在をあげる専門家が多い。 この推測がある程度の妥当性を持つためには、事件が発生した90年や96、7年時点で、『監禁』モノの「ビデオやゲームなどがあふれる環境」だった、という証明がなければならない。 俺はそういう方面には疎いのだが、この時点で急にそういうものが増えたという印象はないのであるが。 少なくとも具体例を挙証して欲しいものなのだが、統計的な根拠はあるのだろうか? それとも、個々の犯人が「俺はこのビデオを見てマネしようと思った」とか、そういう自供をしているのだろうか? 最後の「ネット依存症」に詳しい精神科医の墨岡」氏の意見にも違和感を覚える。 90年~95年時点にはそもそもDVDなんてない、というのは言いがかりとしても、この当時エロゲーやってたヤツというのはそんなに多かったか? エロビデオで監禁モノなんてのがこの当時に急に増えた? 「ネット依存」なんてぇのは当時も確かにいたが、かなり特殊な連中で、いわゆる「ネット」の普及はWindows95以降なんじゃないの? つまるところ、「原因」「結果」を取り違えている可能性はないのか?ということなのである。 「因果関係」を白紙に戻して考えてみると、<仮に>『監禁』モノのAVやゲームの増加と、監禁事件の間に相関関係が認められたとしても、実際の事件に触発されてフィクションが作られた可能性(「アダルトゲームの筋書きをなぞ」ったのではなく、アダルトゲームのほうで筋書きをなぞった)や、その他の第3の因子が介在しての「みせかけの」相関関係である可能性…といったあたりを排除してもらわないと、俄かには首肯できない。 結局、「キライなものを二つ選んで、それに因果関係があると主張する」という、陰謀論の典型的な主張と大差なく見えてしまうのだが。
by SIGNAL-9
| 2006-08-08 16:36
| 奇妙な論理
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