どこにもない「東京」

 劇場ではスルーした「ALWAYS 三丁目の夕日」であるが、DVDがたまたま目に付いたので見てみた。

 東京出身者としては、終始「違和感」を拭いきれない作品である。
 どーも、「身体感覚」にそぐわないのだ。

 例えば、物語の舞台である「夕日町」だが、東京のどの辺りを想定しているのか、体感的にまったくわからない。

 東京タワーがあれほど間近に見えているところを見ると、たぶん虎ノ門か愛宕あたりの設定?と思うのだが、上野から夕日町に向かう進行方向左手に東京タワーが見えるんだから三田の方か?

 どっちにしてもいかにも「下町」風な町並みにかなり違和感を感じる。例えば子供たちの通う小学校は、「田舎」の木造校舎みたいな建物で周りにビルもないし土の校庭だし、昭和30年代の港区周辺にあんな学校がホントにあったのかしら? 港区に比べるとかなり江戸の端っこのウチの方でも、昭和20年代から鉄筋だったのだが。

 いったん気になりはじめるともうダメで(笑)、33年にテレビであの大騒ぎはど~よと思うし、子供の読んでる漫画雑誌は紙質が良すぎるし、逆にオート三輪は古過ぎるし、上野駅まで行くのに港区周辺だったらわざわざ車で飛ばさなくても電車の方が便利だし。少なくとも上野と東京タワーの距離感と位置関係はすっごくヘンだ。

 つーか、宣伝文句では「下町下町」いってるけどそもそも港区あたりは「下町」じゃあないし(笑)

 …とまあ、論ってくと切がないのだが、ひとことでいやあ、言葉は悪いのかもしれんが、「田舎の人の頭の中にある東京」って感じの違和感なのである。

 俺みたいな東京モンが「大阪」をイメージだけで地図にしたような感じ-通天閣のすぐ横に大阪城と甲子園球場があって坂田三吉が縁台で将棋打ってる…みたいな、と言えばおわかりいただけるだろうか。

 もちろん、きちんと時代考証をしているのだろうから、俺の感覚と記憶の方が間違っている部分も多いのだろうが、どうもしっくりこないのである。

 まあ、ノスタルジーの象徴としての「どこにもない東京」と見ればいいのだろうが。映画自体には好感が持てただけにちょっと残念。
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by SIGNAL-9 | 2006-06-19 13:03 | 読んだり見たり
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