TBSニュース
新興企業向け株式市場のジャスダック証券取引所で取引システムの障害が発生し、朝から4時間近く、全ての銘柄の取引ができなくなりました。今年に入って3回目である。 「ジャスダックシステム 処理能力大幅増強へ 2005年7月26日 読売新聞」、といってたわけだが、結局大コケしてしまったわけだ。 【速報】ジャスダックの売買が停止中,新システムの投入初日 日経コミュニケーションによると、 現在,利用できなくなっているのは証券会社にジャスダックの端末を置いて発注作業を行う「直結接続」である。証券会社側のアプリケーションからジャスダックのシステムに問い合わせて発注作業を行う「API接続」は利用可能。しかし「接続の方式だけで取り引きに差がでるのは問題」(同)との判断から,両システムとも停止する措置を採った。これから情報は出てくるだろうが、原因の如何によらず、またしても「停まってはいけないのに停まってしまった」のは事実である。 山田正紀が昭和57年に書いた「虚栄の都市」という小説で、東京を襲う都市ゲリラの標的にひとつが東京証券取引所だった。実時間との競争である証券業というのは本質的に「停まることができない」システムである。 9.11テロの時にもバックアップサイトを持っていなかった金融機関は、大変な損失をあげた。@ITの 吉田育代氏の記事(2002/3/12)によれば; こうして準備万端だった企業があった一方で、バックアップサイトを持たないまま、サイトをダウンさせてしまった金融機関も存在した。事件が朝一番であったために当日の証券売買取引はなかったものの、その日に決済が予定されていた取引データがすべて失われてしまった。この金融機関は1週間後にようやく一部の業務を再開したが、ほぼ6カ月経ったいまもなお完全復旧には至っていない。ジャスダックのように何回も何回も繰り返されれば、堪忍袋の鼻緒がブッツリという人も多かろう。 ロイターの[兜町ウォッチャー]ジャスダック今年3度目のシステム障害、小型株投信解約などのリスクも(2005年 08月 29日 月曜日 12:06 JST )によれば 市場関係者の間では、「2月、8月決算の銘柄については、先週25日が権利付き最終売買日だったが、仮にその日にシステム障害が起きていたら大変なことになっていた。取引所のシステムトラブルは言語道断だ」(準大手証券ストラテジスト)、「不透明感に伴い、ジャスダック銘柄を含む小型株投信の解約が出れば、他の銘柄を現金化する必要も出てくる」(大手証券エクイティ部)──などの声が出ている。まあ、当然だよな。仏の顔も三度笠というし。 お客が「当然やるべき」と思っていることを「やっていない」という姿は、楽天事件などでもさんざん見てきたことだが、「安全な運用」はもっとも重要かつ基本的な顧客サービスであるという観点は、システムを設計したり運用したりする人間も忘れてはいけないことだろう。 コトが起きないと目立たないからおカネの必要性が理解されない場合も多いんだけどね(苦笑) 【特報】ジャスダックが障害でダウン、「単純ミス」と幹部が説明 @IT 2005/8/30 システム子会社、ジャスダック・システムソリューションの専務取締役 船戸弘氏によると、プログラムミスが発生したのはジャスダックの売買システムと、会員の証券会社のホストコンピュータを接続し、専用端末を使って売買する「システム間直結接続」。証券会社が利用できる接続方法にはほかにジャスダック側がAPIを公開し、証券会社側がPCなどで接続する「JASDAQ-API接続」がある。最近はアプリケーションが自由に使え、売買の取引状況などを問い合わせることもできるJASDAQ-API接続を利用する証券会社が増えてきた。そのため、ジャスダックはシステム間直結接続の接続可能数を減らして、JASDAQ-API接続の接続可能数を増やす設計変更を計画し、8月29日にカットオーバーさせた。単純な計算ミスのわりには検証テストでもひっかからなかった?ストレステストの設計はしてなかったってわけか?つーか、謝った計算結果を基礎にテスト環境構築ってのがイマイチよくわからんが。
by SIGNAL-9
| 2005-08-29 15:41
| 電算機関係の話題
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