ジャスダック、システム障害で午前の取引停止

TBSニュース
新興企業向け株式市場のジャスダック証券取引所で取引システムの障害が発生し、朝から4時間近く、全ての銘柄の取引ができなくなりました。

 ジャスダック市場では午前8時20分から始まる立ち会い外取引から全ての株の売買ができなくなりました。コンピューターの障害とみられますが、正確な原因はわかっていません。

 取引システムは午後の立会い取引の注文受付が始まる午後0時05分に復旧し、午後の取引はいつも通りに始まりました。

 ジャスダックでは「ご迷惑をおかけして、誠に申し訳ない」と話しており、現在、原因の調査を続けています。

 ジャスダックは新興企業中心に1000社近い企業が上場、先週26日には一日で1億5000万株あまり、約670億円相当が取引されています。(29日14:33)
 今年に入って3回目である。

「ジャスダックシステム 処理能力大幅増強へ 2005年7月26日 読売新聞」、といってたわけだが、結局大コケしてしまったわけだ。

【速報】ジャスダックの売買が停止中,新システムの投入初日 日経コミュニケーションによると、
 現在,利用できなくなっているのは証券会社にジャスダックの端末を置いて発注作業を行う「直結接続」である。証券会社側のアプリケーションからジャスダックのシステムに問い合わせて発注作業を行う「API接続」は利用可能。しかし「接続の方式だけで取り引きに差がでるのは問題」(同)との判断から,両システムとも停止する措置を採った。

 ジャスダックは8月29日から,時間外の「立会い外取引」の受発注を行う新システムを導入したばかり。従来のファクシミリでのやり取りから,コンピュータ・システムに置き換えた。このシステムが初日である29日朝から稼働せず,本システムにも影響が出てしまった。「原因が分かり次第,記者会見を開いて説明をする」(同)という。
 これから情報は出てくるだろうが、原因の如何によらず、またしても「停まってはいけないのに停まってしまった」のは事実である。

  山田正紀が昭和57年に書いた「虚栄の都市」という小説で、東京を襲う都市ゲリラの標的にひとつが東京証券取引所だった。実時間との競争である証券業というのは本質的に「停まることができない」システムである。

 9.11テロの時にもバックアップサイトを持っていなかった金融機関は、大変な損失をあげた。@ITの 吉田育代氏の記事(2002/3/12)によれば;
こうして準備万端だった企業があった一方で、バックアップサイトを持たないまま、サイトをダウンさせてしまった金融機関も存在した。事件が朝一番であったために当日の証券売買取引はなかったものの、その日に決済が予定されていた取引データがすべて失われてしまった。この金融機関は1週間後にようやく一部の業務を再開したが、ほぼ6カ月経ったいまもなお完全復旧には至っていない。

 ニューヨーク市民は、こういう業務を中断させた企業に対してどういう感情を抱いているのだろう。テロという青天の霹靂(へきれき)の災害に遭ってしまったことに同情的なのだろうか。その答えをバーリー氏は一言で説明した。

 「非常に怒っている。」

 売買取引の記録自体はDTCに残っている。しかし、照合が必要なために、この企業と取引をした相手の企業に多大な負担がかかっているのだそうだ。また、業界の中には前述のようにほぼダウンタイムなく業務を続行したところも企業もあるわけだから、その失態ぶりがよりくっきりと浮かび上がってしまうのだ。
 ジャスダックのように何回も何回も繰り返されれば、堪忍袋の鼻緒がブッツリという人も多かろう。

ロイターの[兜町ウォッチャー]ジャスダック今年3度目のシステム障害、小型株投信解約などのリスクも(2005年 08月 29日 月曜日 12:06 JST )によれば
市場関係者の間では、「2月、8月決算の銘柄については、先週25日が権利付き最終売買日だったが、仮にその日にシステム障害が起きていたら大変なことになっていた。取引所のシステムトラブルは言語道断だ」(準大手証券ストラテジスト)、「不透明感に伴い、ジャスダック銘柄を含む小型株投信の解約が出れば、他の銘柄を現金化する必要も出てくる」(大手証券エクイティ部)──などの声が出ている。
 まあ、当然だよな。仏の顔も三度笠というし。

 お客が「当然やるべき」と思っていることを「やっていない」という姿は、楽天事件などでもさんざん見てきたことだが、「安全な運用」はもっとも重要かつ基本的な顧客サービスであるという観点は、システムを設計したり運用したりする人間も忘れてはいけないことだろう。

 コトが起きないと目立たないからおカネの必要性が理解されない場合も多いんだけどね(苦笑)



【特報】ジャスダックが障害でダウン、「単純ミス」と幹部が説明 @IT 2005/8/30
システム子会社、ジャスダック・システムソリューションの専務取締役 船戸弘氏によると、プログラムミスが発生したのはジャスダックの売買システムと、会員の証券会社のホストコンピュータを接続し、専用端末を使って売買する「システム間直結接続」。証券会社が利用できる接続方法にはほかにジャスダック側がAPIを公開し、証券会社側がPCなどで接続する「JASDAQ-API接続」がある。最近はアプリケーションが自由に使え、売買の取引状況などを問い合わせることもできるJASDAQ-API接続を利用する証券会社が増えてきた。そのため、ジャスダックはシステム間直結接続の接続可能数を減らして、JASDAQ-API接続の接続可能数を増やす設計変更を計画し、8月29日にカットオーバーさせた。

 しかし、システム間直結接続の接続可能数を算出する計算プログラムにミスがあり、本来のアクセスを下回る誤った数値が設定されていた。そのためシステム間直結接続の3台のサーバは、証券会社からのアクセスをさばききることができず、同日7時50分の接続開始から断続的にダウンした。3台のサーバに対して3台のバックアップサーバも用意していたが、同じ数値が設定されていたため、ダウンした。11時前後に原因となった誤った数値が判明。先週金曜日の数値に戻すことで復旧し、12時半の後場から取引を再開した。

 「何でこんなことを間違えるのかという単純なミスだったが、断続的にシステムがダウンしたため、最終確認に時間がかかった」(船戸氏)。システム間直結接続の数値は、利用する証券会社数や、取引に応じて増減するデータ量、それぞれの証券会社が保有する回線数などを基に一定の計算式で算出する。

 船戸氏はプログラムミスについて「接続社数や回線数など、ジャスダックが提供した数値には誤りはなかった。業務委託先の日立製作所で計算ミスがあった」と釈明し、日立と協力して原因究明に努めるとした。また、システム間直結接続の設計変更は今年6月からテストを計3回繰り返してきた。委託業者と協力し、本番環境を模したテストなども行ってきたが、「そもそも一番最初の計算が間違っていて、その間違っていた計算に基づき値を設定していた」(船戸氏)。テスト環境自体が誤った数値で構築されていたため、テスト自体はスムーズに行われた。しかし、本番環境に移した29日にダウンした。船戸氏は「単純なミスで、検証環境が誤っていた可能性が非常に高い」と述べた。
 単純な計算ミスのわりには検証テストでもひっかからなかった?ストレステストの設計はしてなかったってわけか?つーか、謝った計算結果を基礎にテスト環境構築ってのがイマイチよくわからんが。
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by SIGNAL-9 | 2005-08-29 15:41 | 電算機関係の話題 | Comments(0)
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