【近デジ漁り】「異史」本いろいろ

 さて、近代デジタルライブラリー(近デジ)で、俺がめっけたオモシロ本(俺基準)を紹介してみたい。

 最初はちゃんと読んでから一冊一冊取り上げる気だったのだが、とても手が回らない事に気づいたので、最低限目を通したものという基準で、リンクを放流することにする。

 今回は「異史」関係の本である。

 「異史」という言葉はたぶん無い。
 要するにフツーの解釈とはかなり異なる「歴史」つー意味で使っている。

 意味合い的には「偽史」でも「トンデモ歴史本」でも同じだろうが、「偽史」という言葉が含意している「正史」という概念にいささか気持ち悪さを感じているので、ここでは勝手にこう呼称する。

 なにはさておき、まずこいつから。

『上記鈔訳』(

 大和朝廷-神武以前の日本に関する本である。

 いわゆる「古史古伝」の元祖とでも言うべき大物が、自宅のパソコンで読めるというのは実によい時代になったものである。…すみませんウソつきました。古典の素養がないのでちゃんと「読め」てません。有名なので目を通してみたんですが、16ページ目で挫折しました。

 ということでWikipediaの解説にリンクを張ってお茶を濁しておく。伝奇ラノベとか書きたい向きは「ウエツフミによると」とかちりばめると、「おぬしやるな」と賢く見てもらえるかもしれないのでおすすめである(爆)

 もう少し読みやすいヤツを探してみたら。
 おおお。ありますよありますよ有名どころが。

『太古日本のピラミッド』  酒井勝軍

 この間中、PDFダウンローダーの記事のサンプルに使わせてもらった本である。

 表題の通り、「日本にピラミッドがあった!」という異説の元祖。
 酒井勝軍は元々キリスト教の牧師だったのだが、いつの間にやら反ユダヤ主義やらオカルトやらに立場を変えていった。近デジで検索してみると、1903年頃の著書は「英語唱歌集」とか「新式唱歌法」とか、どうみても平和そのものなのだが、1920年代には「猶太民族の大陰謀 」だの「猶太人の世界征略運動」だの、だんだんオドロオドロしくなり、1930年代になると「神代秘史百話 」だの「天孫民族と神選民族」だの、「おいおい、いったいどこに向かってるのだこの御仁は」な感じが読み取れて非常に興味深い。

『成吉思汗は源義経也』 小谷部全一郎

 うわ、これも入ってるよ。やるじゃねぇか近デジ。

 「源義経(牛若丸)は日本で死んでおらず、大陸に渡ってチンギスハーンになった」と論証する有名な本。
 ま、金田一京助らにフルボッコにされたことでも知られているわけだが。

酒井や小谷部があるのなら、当然この人の本も入っている。

『日本太古小史 日本の使命世界の統一』 木村鷹太郎

 木村鷹太郎はもともとは正統な史学畑の人で、検索してみると、「プラトーン全集」といったマトモなフツーの翻訳・哲学書なども多数収容されているが、なんといっても面白いのは「かつて日本民族が世界を支配していた」という信念に基づく一連の著作である。

 この「日本太古小史」は大著「世界的研究に基づける日本太古史」()のエッセンスを語ったものなので、最初に目を通しておくと木村「新史学」の雰囲気が掴めるだろう(というか、いきなり「日本太古史」だと1000ページ近いので挫折すること請け合い)

『キリストは日本人なり その遺跡を探る』 仲木貞一

 これは近デジ基準ではバリバリの近刊(昭和14年)なのでさらに読みやすい。
 というか、研究書のタグイではなく、エッセイ(ただしトンデモ風味)である。
 それもそのはず、仲木貞一といえば劇作家・映画脚本家。
 特撮ファンにとっては「怪奇大作戦」の「幻の死神」「死者がささやく」で有名な仲木繁夫監督のお父さん、といえばわかるだろう(わかるのか)。

 あと、仲木貞一といえば、「ムー帝國」(平田昭彦の声で)、ぢゃなかった伝説の巨大大陸「ムー大陸」、ジェームズ・チャーチワードの『南洋諸島の古代文化』をいち早く日本に紹介した人物としても知られているのだが、なんと、これも近デジに収容されているのである!

 この他、「古事記とか日本書紀の神話ってヒッタイトとかユダヤ神話が元祖なんじゃね?」石川三四郎の『古事記神話の新研究』とか、「ナポレオンってホントは実在してなかったんじゃね?」リチャード・ホエットリー "Historic Doubts relative to Napoleon Bonaparte"の翻訳本『那翁伝記之疑点』とか、「異なる歴史」の本が、近デジには所蔵されている。

 ということで、今日はここまで。
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by signal-9 | 2012-08-03 15:56 | 読んだり見たり
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