この間、人と話していて、銀座の松屋デパートの話になったのだが。
相手の発音が、牛丼屋の「松屋」と同じ、「マツヤ」だったのですごく違和感を感じたわけだ。 ちょっとググってみると、これを指摘してる人は意外に多いのだな。 東京モノには言うまでも無かろうが、デパートの方は、銀座店も浅草店も、「マツヤ」と平たく発音するのが東京では普通なんである。 そういえば、この間「モヤモヤさまぁ~ず2」でもこの話題が出て、さまぁ~ずの二人は正しく「マツヤ」と認識していた。墨田区出身だから当然と言えよう。 記憶では安藤優子キャスター(wikipediaによれば千葉県出身だが中学以降東京モノ)も番組内で「マツヤ」発音をした若手を正していたように思う。 以前、秋葉原の発音問題を考察したときに、浅草育ちの土岐善麿が秋葉原をなんと呼んでいたかという話を取り上げたことがあった。 このインタビュー記事をより正確に引用しておくと、インタビュアーが「秋葉原はアキバッパラ? アキバガハラ?」という非常に誘導的な質問をしているにも関わらず、善麿翁はこう答えている。 「アキハッパラ。平らですね」 つまり、濁らずに、アクセントは平らに発音しているのである。 この、「平らに発音する」ことは東京モンには珍しくないので、慣れ親しんだ「マツヤ」ではない「マツヤ」にはものすごく違和感を感じるんである。 例えば八百屋を「ヤオヤ」と発音されたときと同じ違和感…といえばおわかり頂けるだろうか。 念の為に言っておくと、牛丼屋の方は「マツヤ」でいいのである。 例えば「(デパートの)松屋の近所の(牛丼屋の)松屋で飯を食った」という文章があれば、たぶん前のマツヤと後ろのマツヤではアクセントが違ってる方が東京モンにとっては「普通」に感じるだろうと思う。 そういえば、以前に似たようなことがあって、関西出身の比較的お年を召した方が、「萌え」を「モエ」と発音していてすごく違和感を感じたのである。 …なんでいい歳のオヤジ同士で萌えの話なんかしてたのかは深く追求してはいけない。 「いや、<萌え>はフラットに発音するんです。あなたの『モエ』は『山口もえ』の『モエ』です」 「え。そうなん? じゃあ『山口もえに萌え萌え』は?」 「それはそもそも萌えませんし」 「やけど、この間いったメイド喫茶ではメイドさんが『おいしくな~れ、モエ~、モエ』と発音してたで」 「女の子の場合はいいんですよ女の子の場合は。野郎の場合は、もっとこう陰に籠もった感じで『モエモエ』と」 「…(疑念に満ちた目)」 とまあ、完全に防戦一方だったわけだが。我ながら会話が無理筋(爆死) アクセントなんてのは時代と共に変化するのが当たり前だ。 例えば「マツヤ」に関しても、TVCMのおかげで牛丼の方が知名度的には圧勝なので、数年後には違和感を感じるヤツの方が少なくなるかもしれない。 ま、そういう危惧はあるが、今のところはまだ、デパートの方の松屋の発音に気をつけておくのがエア東京人の基本素養といえよう。 デパートの方を「マツヤ」と呼ぶと、どんなにアーバンでイケメンなシテーボーイを気取っていても「あ。こいつイナカのひとだな」とバレてしまうからである(笑)
by signal-9
| 2012-01-17 15:15
| 一般の話題
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