笑っちゃいかんのだろうが。

放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎた。 2011年07月11日13時30分 BLOGOS

 「自由報道協会」が主催したラファエル・アルチュニャン博士の会見。
ロシア科学アカデミー 原子力エネルギー安全発展問題研究所副所長。物理数学博士。
チェルノブイリ原子力発電所での災害発生以来、事故のもたらした結果を根絶する仕事に積極的に加わり、25年間チェルノブイリ・テーマに特別な関心を払ってきた。
重大事故の専門家として、チェルノブイリにおいて形成された燃料溶岩の拡散を未然に防ぐ作業に加わり、燃料挙動モデルを作り、破壊された原子炉の調査を再三にわたり実施。これは特に、破壊されたブロックを封鎖し180トン以上の照射核燃料を抱えたシェルター建造物の安全性確保の問題に関することであった。
 これが、何というか安全厨狂喜・危険厨憤死な内容。

  1. 東京電力および規制・監督機関からインターネット上で発表している情報量は、実際に何が起こっているのかを把握する、そして、放射能汚染の被害がどのようなものであるかを把握するに十分な量だと言える。

  2. 今回の事故は原子力の過去の歴史の中で、3番目に起きたシビアアクシデントであることは間違いないが、放射性物質の放出量においてはチェルノブイリ事故時の量と比較すると、はるかに少ない量であると言える。

  3. 日本政府は初動対応として、20キロ圏内の住民避難を行ったが、この措置は大変迅速・必要不可欠で正しい措置であった。

  4. 大気への汚染物質の放出は、常に、水への影響よりも深刻な問題に発展する。それが海洋であるならばなおさら問題にはならない
     魚の体内からも基準値を超える放射能が検出されているが、通常設定されている基準値というのは、その数値を超過したからといって、危険であるということではない。

  5. 原子力発電所での事故自体が健康に与える影響はそれほど深刻なものではない。それよりも大きな問題は、事故の後の、放射能で汚染された地域の状況。住民は、「放射線を危険なもの」として、ほかの危険物質に対する反応と比べ、はるかに過敏な反応を示す。
    メディアは今後、国民の不安を煽り、存在してもいない放射能の影響や放射能被ばくによる遺伝的後遺症などについて書き立てるだろうが、それによって国民が再び被害者となることを避けなければいけない。
    チェルノブイリでなによりも問題だったのは、恐怖を感じていた国民の心のストレスである。存在していないものに対して恐怖心を抱いてしまうということが福島でも、もし同様に起こるようなことがあれば、それは大変残念なことだ。

  6. 当研究所が理解している内容からも、また、東京電力および原子力保安院の情報からも、格納容器の底板の溶解は起きておらず、また溶解した燃料が地中に達していないと言うには十分であるといえる。であるから措置としては、単純に、冷却をし続けるということ。今行っていること以外で他の措置を講じる必要はなし。メルトスルーは起こっていない。
    もし仮にメルトスルーが起こっていた場合でも、地中に留まり冷えて固まるだけ。もちろん、これは問題ではあるが、大気中に放射性物質が拡散することに比べれば、危険度ははるかに低いと言える。

  7. 私の知る限りでは、日本では最初の1年で累積される放射線量が20ミリシーベルト以上であれば避難対象となるという基準が発表されている。
    この基準レベルは、国際的な勧告および科学的なデータにもとづき、50ミリシーベルト、もしくは、100ミリシーベルトという数値に設定しても問題にはならない。100ミリシーベルト以上の地域に絞って避難対象としても問題ないし、まったく安全な数値。
    チェルノブイリでは、年間被ばく線量が1回のCTスキャンの線量にも満たない地域の住民まで被曝者としてしまう法律が出来てしまいかえって問題にしてしまった。

  8.  ICRPでは、健康被害が絶対に起こらないようにあえて数値を低く設定しており、推奨する100ミリシーベルトという数値は、100を超えたからといって、すぐさま健康に害を与えるという訳ではなく、さらに十分すぎるほどの余裕をもって100という数値を設定している。健康にぜったいに被害を及ぼさない絶対的な安全を保障するというのがICRPの手法。
    100ミリシーベルト以下であればいかなる健康被害も起こりえない、これは、全ての人々、つまり、子どもでも大人でも適用される数値。
     もし20ミリシーベルト以上という基準を設定するとなると、これにより多大な問題が発生することが予想される。大量の人々が避難対象となり、そうなると、社会的そして経済的な問題も発生してくる。残念ながら、私たちもチェルノブイリを通して同様の経験をした。

 どこが笑いどころかというと、この会見を主催した「自由報道協会」というのは、かなり反原発の立場の組織であることだ。

 司会者の岩上安身氏や、「自由報道協会」設立準備会暫定代表の上杉隆氏などはまあ、どうみても反原発側の立場の方である。

 で、ロシアからわざわざ専門家を招聘して記者会見してみたら、上のようなことをベラベラと喋られてしまったわけだ。

 笑っちゃったのは、司会者の岩上氏が、アルチュニャン博士を「国際原子力マフィアの一員」よばわりしていること。
原子力産業に従事する、いわゆる国際原子力マフィアの一員は、いずこも同じようなものなのかもしれませんが、日本人的な、曖昧な「中庸」を装うことをせず、自分の寄って立つイデオロギー的なポジションに忠実なところは、いかにもロシア人、と思わされました。

もっとも姓から推察するにアルチュニャン氏は、アルメニア系と思われますが。こうした原子力マフィアの皆さんの、国際的支援と連帯を得て、東電はじめ、世論操作メールを仕掛けた九電含む電力会社も、経産省内の原子力維持派も、力を得ているのだとわかったことだけが、唯一の収穫だったかも。
 論者が、自分たちと違う意見の持ち主だったからといって「いかにもロシア人」だの「原子力マフィア」だのとクサする司会者というのは、どうなのだろう(笑)。 少なくとも客観的な立場のジャーナリズムではないわな。

「自分の寄って立つイデオロギー的なポジションに忠実」なのは岩上氏ご自身なんじゃあるまいかねぇ(笑)。
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by signal-9 | 2011-07-12 17:56 | 東電災害
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