東京都もだいぶ前進していることは認めるが

東日本大震災への東京都の対応 

都廃棄物埋立処分場での放射線量(γ線)測定結果 5/25・6/1をみると、下水汚泥焼却灰と上水スラッジを埋め立てている場所での空間線量を測ってみた結果が出ている。ちなみに東京都環境局中防合同庁舎は、大井埠頭の沖にある。

 ぱっと見、気になる点。
  1. 直感的には下水汚泥焼却灰の方が上水スラッジより放射線量は高そうだが、実際には逆。
    単純平均値で比べても、下水汚泥焼却灰エリアが0.3、上水スラッジエリアの方が0.4で、最高値0.65も上水スラッジの方で記録。

  2. 同じく直感的には、γ線計測とはいえ、地面に近いところの方が線量は高そう(実際には殆ど変わらない筈)だが、最高値を記録している上水スラッジB2地点では地上1センチが0.35、1メートルだと0.65。地面すれすれの方が線量が低い。上水スラッジエリアは,計測日や地点に依らず、この「1m > 1cm」傾向が見える。
    逆に下水汚泥焼却灰エリアは高さに関わらず一定のよう。
 こんな結果だけポンと公開されると、「おいおい、下水よりも上水の方がセシウムため込んでんじゃねえか?」とか「1センチより1メートルの方が高いって、もしかして煤塵が空中に飛散してるからじゃないだろうな?!」みたいな憶測を生まないか心配になってしまう。

 飛散防止対策は放射性物質に限らず行われているだろうし、こんな場所で年がら年中生活しているヒトはいないだろうから、だからど~だということではないが(働いている人には深刻な問題だろうが)、ただ「数字を調べました・発表しました。以上」は不親切だなあ。

 どうも、この手の「説明不足」がまだ目立つ。

 放射性物質検出問題 下水汚泥処理施設を公開--大田 /東京◇都は安全性を強調 毎日新聞 2011年6月16日
 この日は、都職員が焼却灰の処理・保管状況を公開するとともに、敷地内の放射線量を測定。処理した焼却灰のある建物内では、2・5~0・8マイクロシーベルトを計測したのに対し、屋外では0・08マイクロシーベルト前後だった。担当者は「焼却灰が飛散しないように管理されており、安全面に問題はない」と話した。
 いやまあ、毎日新聞の記者氏がそれで納得だったら別にいいのだけれど、「屋外」というのはどこのことなんだろう。

 羽田空港の関係で煙突が低いといっても、写真で見るかぎり10メートル以上はありそうだ。いくら冷やしてると言っても排気はそれなりの温度だろうから、この煙突からの排気は、すぐその場=「施設内」に漂うのではなく、上空に昇っていくんじゃないのか。

 で、この煙突から「漏れてるかどうか・漏れてるとすればどの程度か」が一般人の興味の焦点なんではないのか。

引用:南部スラッジプラントにおける汚泥処理



この図を見る限り、
  1. セラミックフィルタ・スクラバで具体的にどれくらいトラップされてるのか

  2. 排気してる最中の排気口近辺の放射線量
程度は公開して、「ほれ、排気の中にも出てないでしょう。つまり施設外には出てませんから一般ピープルは無問題です」という説明すべきなのではないか。

 東京都もだいぶ前進していることは認めるが、「安心のため」にはまだまだ情報公開と丁寧な説明が必要なようだ。

 ちなみにこの手の「論拠」を、コンピュータ業界では「エビデンス」と称するスカした奴が多いが、"evidence" というのは「外に(e-)」「videre(見える)」というのが語源なんである。
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by signal-9 | 2011-06-16 16:09 | 東電災害 | Comments(0)
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