これはよいメディアリテラシーのクイズですね。

【クイズ】『AERA』に載った放射線の数値が変 2011年06月02日 山本弘のSF秘密基地Blog
僕のマイミクの「UFO教授」さん(元・大学助教授だった方)が、『AERA』5月30日号の「子を放射能から守れ」という記事を読んでいて、おかしなことに気がついたのである。

【問A-1】
 この数字にはぱっと見ておかしなところがある。それはどこか?
 なお、この問題に放射線の知識はまったく関係ない。
(制限時間1分)

【問A-2】
 この図の中の赤で示した「2.25」と「2.53」以外の数字は、ある規則に従っている。その規則は何か?
(制限時間1分)
 回答編はこちら。【クイズ】『AERA』に載った放射線の数値が変【解答編】



★★★★ こっから下はネタバレなので、上のクイズの記事を読んでから読んでね

 山本氏は、「こどものいえ そらまめ」のブログに、『14日の除染作業後、園庭の放射能数値が大分下がり、現在0.5マイクロシーベルト/時です。作業前は3.0ありました。』という記述があるので、
すなわち、5月6日での園庭での測定値は、正しくは毎時3マイクロシーベルトであり、測定時に居合わせたであろう「そらまめ」の関係者もそれを認識していたと思われる。

 測定が行なわれた後、『AERA』に記事が掲載されるまでの間に、何者かが測定値を9.09倍した疑いが濃い。
としている。

 この「計測値」が異常であるということには同意だが、「犯人」云々というのはちょっと読み過ぎではないかと思う。

 アエラのホームページによれば、この「計測」は5月6日に実施したもの。

さて、この5月6日の「計測」は他のメディアでも報じられている。
東日本大震災:暮らしどうなる?/38 子の被ばく、減らす努力を 毎日新聞 2011年5月23日
文部科学省の発表では、6日に測った同園の空気中の線量は3・0マイクロシーベルトと基準値以下。だが、同じ日に園内を細かく測ったところ、遊具ははるかに高かった。10マイクロシーベルト前後の地点も方々にあり、雑草や枯れ葉に覆われた場所は90マイクロシーベルトに上った。
 この毎日新聞の記事にある「文部科学省の発表では、6日に測った同園の空気中の線量は3・0マイクロシーベルトと基準値以下」という記述は、「そらまめ」のブログ『14日の除染作業後、園庭の放射能数値が大分下がり、現在0.5マイクロシーベルト/時です。作業前は3.0ありました。』と一致している。

 問題なのは、AERAの記事の「「こどものいえ そらまめ」で測った放射線量」の真ん中辺りに、5月6日に9.09だった値が「5/14 表土入れ替えをしたら0.39に減」というコメントがあることだ。

 アエラの記事   5/6→ 9.09 , 5/14→ 0.39
 そらまめのブログ 5/6?→3.0 , 5/14→ 0.5

 下がったことは一致するが、数値が異なる。5/6の数値はAERAの方が三倍高く、5/14の数字は逆に低くなっている。

 こっから先は俺の推測だが、「そらまめ」のブログの方は、文科省の計測値を「基準」にしていて、AERAの記事の方はそもそも「違う測り方」をしているのではあるまいか。

 つまり、例によって例の如く、AERAの方は「地上1メートルの空間線量」ではなく、もっと低いところで測った値なのではないか…と思うのだ。

 地上1メートル計測→3.0
 地上すれすれで計測→9.09

 で、しかも計測器が汚染でぶっ壊れてるとか、そもそも内部的にそういう計算(CPMから100/11で表される比でμSv/hに換算)するみたいな「クセ」があるんではないか。
  1. 汚染源に近いところで測るのであれば、計測器をビニールなどに入れて、計測器自体が汚染されないように気をつけるべきだが、いきなり地べたに置いたりして計ってしまった為、計測器が汚染されてしまったのではないか。

  2. 同じ土俵で、μSvで比較するならγ線だけを測るべきだが、αやβ線も測っているのではないか。この場合、cpmで出てくる数値を「マイクロシーベルト」で表すのは極めて困難、つーかほとんど無理。一部のβ+γ計測する簡易計測器では独自の仕掛けで「補正」してるので、その「値」を他と比べちゃいけない。γだけ測るにはアルミキャップを付けるとかの操作が必要な計測器では、それを行わないでμSvで測っちゃダメ、と説明書に書いてある。なぜなら出てくる数値はμSvとしてはデタラメだから。
    どちらの計測器も正確にキャリブレーションされているとしても、地上1メートルならα・βはそこまで飛ばないので大きくは違わないが、地べたに近ければ近いほどものすごい差が出るはず。
 可能性としては後者の方が高いように思える。

 まあ、いずれにしても山本氏の「数字が変」という疑義自体はまっとうなものなので、記事を掲載したアエラには説明責任がある

 上で述べたように、俺は「故意の捏造」とは思わないが、それでもほぼ確実に言えることは、計測した人たちも、それを掲載したマスコミにも確証バイアス=「政府の発表より高いに決まってる」があって、90.90だの27.27だのという直感的にヘンな数値を、まったく疑わないで発表してしまったということであろう。

【追記】
あわてて追記しておくが、俺は、AERAのこの数値は「異常」だとは思うが、「間違っている」と言ってるわけではない。念の為。

【6/21 追記】
その後、山本弘氏が続報されている。
『AERA』に載った放射線の数値(続報) 6/16
5月6日にグリーンピースの人たちが高価な機械を持って放射線値の測定に来たのは本当だと。
 ただ、その機械はcps(1秒あたりの粒子放出率)しかカウントできなかったらしい。
 で、ここから先がよく分からないのだが、その人たちは、

 測定されたcpsの数値をマイクロシーベルト/時に換算するのに、5.5で割ったんだと。
「そもそも内部的にそういう計算(CPMから100/11で表される比でμSv/hに換算)するみたいな「クセ」があるんではないか。」どころじゃなくて、手で計算してたんかい!
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by signal-9 | 2011-06-06 13:08 | 奇妙な論理 | Comments(0)
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