東葛6市、県に放射線調査を要望

東葛でも放射線量公表を…6市、県に要望 (2011年5月18日 読売新聞)
 柏、野田、流山、我孫子、鎌ヶ谷、松戸の東葛6市は17日、福島第一原発事故に伴う放射線量の測定を6市それぞれで実施し、公表することなどを求める要望書を県に提出した。

 要望書では、原発事故後、放射線量に対して関心が高まっている上、県北西部地域については、大学教授や個人の独自の測定結果がインターネットに書き込まれ、不安を抱く市民がいると指摘。現在、県は市原市のみで大気上の放射線量の測定を実施しているが、6市それぞれの市域の大気中(地表から1メートル)や保育園、幼稚園、学校等の土壌の放射線量を測定して公表することなどを求めている。

 柏市の秋山浩保市長が県庁で戸谷久子環境生活部長に要望書を手渡した。県大気保全課は「県内の市町村と意見交換しつつ、どういった方法が可能かを検討し、監視体制の充実に向けて取り組みたい」としている。
いわゆる「東葛ホットスポット仮説」への対応なんだろうな。
  • 空間線量の測定は地表1メートルで
  • 保育園、幼稚園、学校等は土壌の放射線量を計測
いずれも「安心の為には」妥当な要望と言えよう。東葛6市は我が東京都副知事より現状をはるかに正しく認識されているようだ。

 俺も再三繰り返しているが、「平時の正しい空間放射線測定」では、今の状況では「安心」に繋がらないのである。

このあたり、東大病院放射線治療チーム(team_nakagawa)のブログでもこのように述べられている。
福島訪問──その2 空間線量率測定の結果について team_nakagawa 2011/05/13
ここは山道になっており、前半は、道路の真ん中から谷側に掛けてはあまり変化せず、山側で強い値を示しました。後半は逆に谷側が強い値を示しています。観測値は、道路を横切るだけで、30%程は簡単に変化してしまうことがわかります。(確認のため電離箱線量計による追試も行い、ほぼ同様の結果を得ました)
 同位置で同種類の線量計で文科省モニタリング結果を再現する一方、映像で示したように、測る位置を少し変えただけで値が大きくふらつきます。放射線量の経時的な変化を観測する場合には、毎回同じように計測するよう注意が必要です。また、ホットスポット(線量が局所的に高い地点)の探査などを進めていく必要がありそうです。
実効線量は等価線量×組織加重係数(皮膚の組織加重係数は0.01)で見積もりますので、ベータ線による被ばくの寄与は、観測量より大分小さくなります。さらに肌の露出を避けていれば、ベータ線の影響をなくすことができます。したがって、外部被ばくを推定する場合、ガンマ線が支配的である1mの高さで計測される環境放射線量を用いるのが最も適切です。
5月15日にNHK教育で放送された「ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~」の中でも、文科省の「平常時では正しい」放射線モニタリング、即ちなるべく何もない方向に測定器を向けた時と、同じ測定器を山側に向けた時では値が大きく違う、というシーンがあった。

 東葛6市の要望が受け入れられれば、より正確なリスク評価と風評対策の一助になると思う。千葉県としても前向きに対応されたらよろしかろう。無駄にゼロリスクを求めるとコストが掛かるばかりなので、既存の知見に基づいて、優先度を付けて調べてみることが肝要と思う。

 一方、東葛6市に隣接する青木克徳区長の率いる葛飾区のホームページでは、あいかわらず新宿で計ったデータを元に、
東京都では、最新の測定結果に基づいて、「現時点においては健康に影響を与える数値ではありませんので、ご安心ください。」と発表しています。
と、まるで「我々には責任がない」と言わんばかりなのであった。
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by signal-9 | 2011-05-19 14:02 | 東電災害
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